昨日の続き・・・
グラスの購入が目的の買い物だったが、今の季節の浅草ではもう一つやらなきゃならないことがある。
私にとって四季それぞれ浅草での食の年中行事があり、夏はサンバカーニバルの後のヨシカミの「カツサンド」、そして秋は尾張屋の「松茸の土瓶蒸し」。
浅草雷門通りの尾張屋本店。
明治5年創業。老舗が軒を連ねる浅草でも最も古い歴史がある蕎麦屋。
入口は表、帰りは右手から出る昔のままの造り。
時刻は11:15。開店まであと15分。
一人二人と行列もでき始め、オープンと同時に一番乗り。
「浅草寺御用」のこの店は浅草の顔と言ってもよく、古くからの馴染みに加え観光客も押し寄せ開店と同時に1階2階とも満席になる。
初代は最後の将軍徳川慶喜公とも友達付き合いをしていた町火消し「新門の辰五郎」の弟子。
晩年は毎日のように通ったという永井荷風が好んだ席に座る。
今年の松茸もそろそろ終わりになる頃だが間に合って良かった。
熱燗の温度がちょうどいい。
これより熱くてもぬるくても熱燗じゃないんだよね。
お通しはそば味噌。
●松茸どびん蒸し(1,600円)
最初はだし汁だけを注ぎ、グイッと飲み干す。
う~ん、これこれ!
先週は京都で松茸の土瓶蒸しを食べたが、尾張屋のつゆの旨さは格別。
蒲鉾、鶏肉、銀杏、そして主役の松茸。
スダチをギュッと絞るとさっぱりとした味の変化も楽しめる。
セコな店では松茸の土瓶蒸しとはいいながらペラペラの松茸が2~3枚ということもあるけど、ここの土瓶蒸しはこれでもかと松茸がぎっしり。
うんめぇ~~
●玉子焼き(900円)
尾張屋の蕎麦前は何を頼んでもハズレはないが、玉子焼きは私のお薦め。
ふわっと柔らかい玉子焼き。
尾張屋のつゆとかえしを使った濃い目の味付け。
最後は同じく季節限定のそばずしを注文。
●そばずし(1,100円)
お江戸の老舗の蕎麦屋では「そばずし」を作る店は多いけど、かんだ藪そばと尾張屋は2大横綱。
一つ目は玉子、椎茸、干瓢の海苔巻き。
つゆをちょいとつけて食べると、思わず顔がほころぶ!
次に高野豆腐、ほうれん草、干瓢。仕上げに薄焼き玉子で巻いたすし。
ほころんだ顔がへらへら笑いだす。
最後は椎茸と玉子を甘辛く煮た油揚げで包んだいなり風。
へらへら笑ってた顔が崩れ落ちる。
あ~、大満足!
美味しい食事に感謝をこめて
「ごちそうさま!」
【お店】 ★★
・尾張屋本店
・東京都台東区浅草1-7-1
・http://r.gnavi.co.jp/g615000/