★★/辰巳軒(石神井公園)/~坂口安吾カレー事件~ | 夢酔亭主人のオムライス食日記

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またまた遠征してきた石神井公園。


洋食、中華の辰巳軒さん。


こう何度も紹介すると隠れ家でもないんだが、居心地が良くてつい足が向くお気に入りのお店。


ところで、「坂口安吾ライスカレー事件」ってご存知だろうか?


昭和26年、この近所に住んでいたのが作家の壇一雄。


連想ゲームでお馴染みの壇ふみさんのお父さんだが、壇蜜さんとは関係ないらしい(笑)


この壇宅に居候していたのが「堕落論」で有名な坂口安吾。


何を思ったか、このお店にライスカレー100人前の出前を頼んだ。


当然辰巳軒だけでは対応出来ず、数軒先にあるほかり食堂とともに何とか作り終えた。


次々と届けられるライスカレーを芝生の上にズラリと並べ、十数人の仲間たちと片っ端から食べていったそうだ。


坂口安吾って人は奇人変人に属する人なんで珍しくもないんだろうが、100人前の出前を見事届けた辰巳軒とほかり食堂さん。


この2店にはアッパレを差し上げましょう!


とは良いながら、ほかり食堂のカレーは去年ブログでも紹介したが、辰巳軒さんのカレーは未食。


急に思い立って石神井公園へ向かう私も坂口安吾並みの変人か?


とりあえず、麦のジュースで心も満タン。


瓶ビールも中ビンなんてのはお店の都合で、本当にお客に優しい店には大ビンと小ビンをそろえてあるものだ。


頼みもしない゛お通し"を出して無理やりお金を取るお店も多いが、かっぱえびせんはもちろんサービス。


単品メニューから、エビフライと、ハムカツを注文。

いつも豪華な花が飾ってあるが、秋らしくてよござんす。


飲んでる客、マンガ本を読んでる客、テレビを見ながら食事している客・・・


どのテーブルにもお酒があるが、ここでは他人に迷惑をかけたり、騒いだりする客は見たことない。


安い大衆洋食店でも、一流のお店には一流の客が集まるものだ。


●エビフライ+ハムカツ(550円+150円)


サクサクのパン粉とぷりっぷりの海老フライ。


自家製のタルタルソースもいい味だ。


ハムカツの中身はハムに巻かれたポテトサラダ。


ありそうでここ以外で見たことがないが、コロッケとハムカツのいいとこ取りの逸品だ。


お米のジュースも追加したが、徳利いっぱいに入ってて酒飲みのオヤジ心をくすぐって来る。


コップに満タンに入れても徳利の中には1/4ほど残っているのにニッコリ微笑む。


人は人ゆえに堕落すると喝破した坂口安吾の堕落論。


若い頃は反発したが、最近はなんとなく理解できるようになった。


さて、本日のメインのカレーを注文。


●カレーライス(600円)


懐かし系のカレーに思わずテンションが上がる。


聞けば創業当時から変わらない味だそうだ。


それではいただきますナイフとフォーク


カレー粉と小麦粉を炒めて作る昔ながらのカレー。


インドカレーも欧風カレーもよござんすが、私たちオヤジ世代のカレーの原点はこれでしょう!


坂口安吾が芝生の上で豪快に食べたくなる気持ちも分かるような気がする。


美味しい食事をいただき感謝をこめて
「ごちそうさま!」


【お店】 ★★
・辰巳軒
・東京都練馬区石神井町3-17-20