夕方になっても、まだまだ暑い。

はっちゃんは、

作業所から電車にのって2駅

駅から歩いて15分のみちのりを

ひとりで通っています。


作業所の仕事が終わると、携帯から

「今日は、レッスンありますか?」と

確認の電話が入ります。

この日は、あまりにも暑かったので

「疲れてるんだったら、無理しなくてもいいよ」というと

「大丈夫だよ~」と割と元気そう。

なんだか、あやしいぞと思いながら待っていると

「お金持ってきたよ」と ウエストポーチの中から

続々と1円玉が。。。

どうしたんだ???これ????

笑いたくなる気持ちを必死に押さえ

一緒に、数えました。

230円 ありました。

私は「あと、70円だね」というと

「もう、すこしだ!

 でも、大丈夫そうだね」 と満足そう。


そう、作業所からいただく 夏のボーナスで

新しい楽譜が欲しかったのですが、

仕事仲間の皆さんとお食事会に行ったり

ついコンビニで、おやつを買いすぎてしまい

楽譜代には、300円足りなくなっていたのです。

次のお給料で、300円を貯めてから

私が、新しい楽譜を買いにいくことにしてあるのです。


どんな約束をして、お家の方から

こんなにたくさんの1円玉をいただいてきたのか

早速聞かなくちゃと思っていると

なにか勘付いたみたいで

「どうせ、1円玉 使えないじゃん!」 と

ブラックはっちゃんに変身!

なにか、あるな。。。と気付きましたけど

まずは、はりきっている気持ちを優先して

知らないふりしながら


お決まりの


「えええ!!!! 

使えない1円玉を私のところに持ってきたの???

ひどーい!!」

「大丈夫だよ~」といわれ

「このままじゃ 自販機でジュース買えないし」というと

「コンビニに行けばいい」といわれ

最後には、 

「仕方ないよ、我慢して!」となり。。。



漫才のような会話を一通りくりひろげ

ノリノリになったらしく

「ねえ、私痩せたんじゃない???」と

ぶかぶかに見えるスカートのをウエストをひらひらしてみせていたので


「いや、ちがうし。。。

 ゴムのびちゃっただけだし。。」

と、私がいうと 「がーん」といいながら

ピアノに向かっていました。


1ヶ月まえに 出来なかった16分音符の練習を繰り返し

少し自信が出来てきたようで

撮影をしたのが、こちらです。



よーく聞くとなにか、うなり声が。。。

グレングールドみたいでしょ。

本人が編み出した弾けるための工夫なんですよ。





こんな風に、お笑いのような会話と

びっくりする言動を繰り返しながら

1小節ずつ、小さな目標をたてて

ピアノに向かっています。


小節線の終わりまで到着するのは

いつの頃か?わかりませんが

それでも、はっちゃんのピアノライフは

だれよりも 豊かなんだろうな と 

はっちゃんの先生として、自画自賛しております。。。。


あっ!

お家の方に、あのたくさん1円玉どうしたのか
きかなくちゃ!!!



はっちゃん日記Part 1は、こちらから