この10年を振り返ってみる 第7回
たかが10年。されど10年…。
2007年にミュージカルデビューしてからの、この10年を振り返ってみようという、エッセイ的な読みものです。(全10回。毎日18時更新予定)
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第7回
バンドを始めたのは高校生の時で、その頃は空前のバンドブーム。
BOOWY、BUCKTICK、JSW、BJC…
周りは高校生バンドだらけ。僕も誰かに憧れてっていうわけじゃなくブームに乗っかって始めました。
小さな仲間うちでは歌がうまかったのでボーカル。
僕はあまり“憧れが”みたいなものを持ちたくないタチのようで、とは言え“指針”になるものがないっていうのは不便なもの。
ミュージカルも偶然的に出会ってしまいましたし、最初はどんな方がいらっしゃるのか知識0でした。
2008年に観た「タンビエットの唄」で畠中洋さんのお芝居を拝見して、すごく惹きつけられました。
驚きや戸惑いや、過去の事実を飲み込んで、朗々とセリフを出す感じがカッコいい!と感じました。
2010年に出演した「ファントム」。2幕で、篠井英介さん演じる“キャリエール”が、ファントム誕生の秘密を朗々と語る長台詞のシーン。あのシーンもカッコよかった!
どうやら“朗々”ってとこに僕の琴線は反応するようです(笑)
とにかくそんな先輩方と出会って、ぼくはやっと羅針盤を手にできたのです。
その後、畠中さんとは2015年の「スター誕生!」、2016年の「ジキル&ハイド」でご一緒させていただきました。
楽屋でその旨話したことがあるんですが、ウェルカムなニアンスで
「あーっそーぉ」
と答えてくださいました(笑)
普段は物静かな方なんです。
つづく
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