子育てを終えて…

 

 

 14年前、3人の子連れの妻と結婚を前提に付き合い始めて以来、7歳の女の子、6歳と5歳の男の子の父親となり、試行錯誤の中子育てをしてまいりましたが、あれよあれよという間に上の二人は既に家を離れ、残った一番下の子も11月には20歳を迎え、事実上、子育ては終了します。

 

 父の日などの機会に、子供が「お父さん、ありがとう!」と感謝を表現してくれると、嬉しく思う反面、親として特別なことは何もしてあげられないままに子育てを終えてしまったという、後ろめたい気分も感じます。感謝されると、なおさら「頑張ってもっと一緒に過ごせる時間を作れたらよかったのに…」「もっと子供の養育に使えるお金があれば良かったのに…」「もっといろんな体験をさせてあげるべきだった…」などなど、反省すべき点ばかりが思い起こされます。

 

 親としては、これから先の子供の人生にとやかく注文をつけ、特定の方向性にプッシュするつもりは毛頭ありません。ただ、日々充足感が感じられる生き方を自らの手で見つけてもらいたいと願うのみです。その過程で失敗し、住む場所がなくなったり、食うのに困った時には、いつでも遠慮せずに戻ってこられるように、この場所を豊かなファームに発展させておきたいと思います。そして、孫ができたら、長期の休みに無理やりに何週間か預からせてもらい、頼まれもしないのに柔道や音楽、自給自足の術などを教える頑固ジジイになっていたいですね。

 

 これまで、社会的成功や経済的な豊かさおいては、手本となる生き方は見せてやれず、権力もお金もありませんから、社会生活の実際面で子供にしてやれることはほとんどありません。ただ、貧しさの中でも精神的に豊かに生きること、信じて選んだ道で一生懸命に生き、その中に幸せを見出せすことに関しては、それなりにお手本となる生き方を見せてやれたと思っています。

 

 「親がなくとも子は育つ」と言いますが、父親という経験は、子供がいないと成り立ちません。子供たちがいたおかげで、彼らに恥ずかしくない生き方をせねばと奮起し、少しでもまともな人間になろうと努力をすることができました。まさに「子があってこそ親は育つ。」このような素晴らしい経験をさせてくれた子供たちに感謝をしています。