幼稚園の頃から小学校6年まで毎年
1人もしくわ妹ちゃんと一緒におばあちゃんのお家へ。
一夏はそこで過ごすことが私の最大の楽しみだった。
毎年夏になると思い出す…タチアオイの花。
盆踊りの太鼓の音。毎年あつらえてもらう浴衣。
1年に一回しか会えない友達。学校のプール。
ラジオ体操。おじいちゃん、おばあちゃんの笑顔。従姉妹。汽車。YS-11。ミートソース。
チョコレート。おっきなおにぎり。茹で卵。
砂糖の入っていた袋。宵闇の晩。カラスのおじさん…まだまだいっぱいいっぱい。
今回は構想7年の遥か昔の私の思い出を書いてみました。
長くなるのでまずは第一話…。
…………タチアオイの花………
昔の小学生は一夏毎日がラジオ体操で始まる。
朝6時に起床…おばあちゃんに起こされる。
おばあちゃんは決めたことはやらないといけないという気性。顔も洗わず家を出る。
近くの父も通っていた木造の校舎がある小学校の校庭へ。
すでに年に一回しか会えない友達達は集まっている。
朝から元気なおじさんが大声で“おはようございます!今日も元気にラジオ体操をしましょう''と。
眠い身体がシャッキリするのは終わり頃。
そこから私とおばあちゃんの朝散歩が始まるのだ。
街路樹のわきに咲く夏の花…タチアオイ。
おばあちゃんは一枚の花びらを取り、根本を二つにそっと割いて鼻の頭に付ける。
“ほら!みてごらん!コケコッコ花だよ“と。
まるでニワトリのトサカ🐔のようだ。
私もやってみたくてそっと割いて鼻の頭に。
2人で“コケコッコ〜コケコッコ〜“と鳴いてみる。
大笑いしながら。それを毎日毎日同じ事を繰り返す。それが楽しくて、鼻の頭がくすぐったくて。
帰るとおじいちゃんが昨晩お湯を入れた魔法瓶から洗面器に冷えたお湯を入れている。
毎日毎日同じ事を繰り返す。
それが当たり前だった子供の頃が懐かしい。
おばあちゃんのつけた梅酒の梅はほちゃほちゃで柔らかくて美味しかった。
まるっぽのナスの浅漬けは、あれから二度とあんなに美味しいナスは食べたことがないほどだった。
………第一話でした……続く。
タチアオイの花をコケコッコ花と言っていたのはおばあちゃんだけなのか…今も謎…
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