おはようございます。
蒸しりんご店長のりんごです。
逆子の記事をしばらく書きます。
逆子は、逆子になった時に
多くの方が『自然に戻る』と言われているようです。
そして実際に、何もしていない人
何かの対策をした人
鍼灸治療をした人
様々な過程を経て
戻る人は戻ります。
しかし戻らない人もいる。
私の治療院でのある期間のデータでも
初診時の週数別逆子回転率は
以下のとおり。
・27週0日~29週6日 100%(9人中9人)
・30週0日~32週6日 92.8%(14人中13人)
・33週0日~34週6日 81.2%(16人中13人)
・35週0日~36週6日 40%(10人中4人)
週数が早い段階から次第に時がたつにつれ
戻りにくくなっていき
治療に通って下さり
一生懸命お灸も日々取り入れていただいても
33週~35週直前までの方で約20%の方は
逆子が戻っていません。
その理由は何なのか。
これも答えはもしかしたら
『赤ちゃんに聞いてみないとね』という話で
明確な答えは出ないでしょう。
いくつか想定されうることを
書いてみますが
今回は羊水の量に関して。
これは『逆子が治らない』要因というより
『逆子が治りにくくなる要因』と言えます。
逆子が治るには単純なことで
回るためのスペースが必要です。
十分なスペースがないと回るに回れない
そんな状況になってしまいます。
週数が早い段階はまだ小さくて
週数が経つほど大きくなる。
大きくなるほどに相対的に
お腹の中が動きにくく
赤ちゃんにとって狭くなる。
これは皆さんもイメージしやすいですよね。
ちなみに、赤ちゃんの重さは
おおよそで
28週 1000~1200g
33週 1800~2000g
おおよそですが、まだ大丈夫!と言われる28週で1000g
そろそろ慌てだす33週で2000gとすると
倍も大きさ違う!んです。
そしてもうひとつ、
お腹のスペースには
あかちゃんの大きさだけでなく
実は羊水の量も関係しています。
羊水の量は妊娠経過とともに
徐々に増加を続けていき
妊娠32~33週頃にピークを迎えます。
妊娠8週頃から10ml/週ずつ増加し
33週頃には最大量700~800mlにまでなります。
33週にピークを迎え
その後はすこ~しずつ減り
以後分娩まで漸減し、
妊娠末期、39週以降急激に減り
500mlになるという流れです。
こういう流れなので
羊水の量が激減して逆子が戻らない!
というほどダイレクトな影響ではないですが
まだまだ小さく、そして羊水の量が増えていく
28~32週までの逆子ちゃんと
33週以降の逆子ちゃんでは
やはり戻りやすさという意味では
逆子が治りにくい要因にはなります。
体作りは一朝一夕にしてならず、なので
28週の逆子と言われた段階で
体作りの下ごしらえ的に
簡単にお灸なり、他にも
妊婦の養生になることを
はじめてみるというのは、やはりオススメです。
逆子が治らない原因、続きます。
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参考文献
寺尾俊彦監修 金山尚裕編:妊娠・分娩・産褥の生理、メディカ出版,2006
森恵美他:系統看護学講座、専門分野Ⅱ母性看護学各論、医学書院,2011