突然の病院からの電話に妻は戸惑っているように見えました。


電話が終わってから話を聞きました。

「脳に腫瘍らしき物が見える。病院の脳外科の先生に話をしたので急ぎそちらで診察を受けてほしい」

ということでした。



衝撃でした。が、この時もまだそれほど大事には考えていませんでした。

目がおかしい以外にたいした症状もでていないし、どうせ小さい腫瘍が見つかっただけでしょうと。



また数日後に妻は1人で脳外科にかかりました。

そこでMRIの画像を見ながら言われたことは

「現段階では、良性か悪性かははっきりしたことは言えないが良性腫瘍のように見える。悪性腫瘍なら脳内へ染み込んでいくように腫瘍が大きくなるが、この腫瘍は脳室の方へ腫瘍が大きくなっている。とはいえはっきりしたことは手術で採ってみないとわからない。恐らく腫瘍の影響で視神経にも異常が出ているので手術をおすすめする。またそれに先立って造影MRIを撮って欲しい。ゴールデンウィーク明けに予約しておきます。」

ということでした。



なんだか大事のような気がするが良性らしいから心配しすぎなくてもいいんじゃない?と私も妻も思っていました。

ネットで調べても、脳腫瘍の9割は良性腫瘍と出てきます。



またゴールデンウィークは地元(妻側も私側も飛行機の距離です)に帰って娘のお宮参りやお食い初めのイベントをする予定にしていました。

祖父母に娘を会わすのが楽しみだったので、とりあえず次の造影MRIまでら腫瘍のことはあまり気にしないことにしていました。


今になって思えば、この時点でセカンドオピニオンを受ける等の対応をとっていればと悔やむ部分もあります。

とはいえ、まさか悪性腫瘍なわけがないと信じたくない気持ちもあり、腫瘍への対応は後回しにしてしまいました。



帰省は非常に楽しいものでした。可愛いお宮参りやお食い初めの写真を撮って、親戚で集まって美味しいご飯を食べて大満足でした。

またこの時点で両家の祖父母にだけは、妻の脳腫瘍のことを話しました。あまり不安にさせたくなかったので、恐らく良性だと思うけど近く手術になるとだけ伝えました。



ゴールデンウィークも終わり、造影MRIを撮りました。数日後の5月中旬にまたF病院の先生と問診の予定でして、そこで今後の詳しい話をする予定でした。

この時点で私の上司に事情を説明しました。

「詳細は未定ですが恐らく近いうちに妻が手術をすることになるので、子供の面倒を見るために育休を取りたい」という話です。

本当に人間のできた素晴らしい上司に恵まれており、家族優先で対応してくださいとコメントをもらいました。


ここから事態が急変します。