学校での人種問題。悲しい。。。 | オーストラリアで日本語を教えるカエル先生の修行日記

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でも、教育に関することや学校生活のことというより、日々の愚痴のほうが多くなりがちだと思います。だってね~。奥さんマディソンさん怖いし、子供たちはパワフルだし・・・。

ものすごく悲しい。


今日、友達家族と会った。うちみたいなオーストラリアと日本のミックスの家庭。5歳の可愛いハーフの女の子がいる。ちょっと田舎の方にいるからなかなか会えなくて、前回会ったのは娘さんの萌ちゃんが小学校に通い始めた頃。「もう萌ちゃん学校にあがるんだ~。」「大きくなったもんだ~」と話したのを覚えている。で、今日は 萌ちゃんがどんなに学校生活を楽しんで成長しているかと話してくれると楽しみにしていたのだが、ビックリ、転校すると言う。


転校の理由が「人種差別問題」。これでまだ再度ビックリ。「人種差別」なんて言葉は使いたくないのだけれど、そうとしか言えないような嫌な目にたくさん会ったというのだ。こんなに小さいのに。。。。


萌ちゃん、ハーフだけれど、見かけまったく日本の子。日本のDNAのほうが強く出たみたい。見かけのせいか、萌ちゃんは仲間はずれ。田舎にいるからアジア人もほとんどいなく、周りは、とにかくまだまだ幼い5歳のクラスメイトたちは免疫が無いのかもしれないけど。。。


「お前の英語はわからん。ちゃんとしゃべれないのか」って。萌ちゃんはちゃんとネイティブの英語を話せるのに、わざとそんな風に突っかかってきたり。。。。「わからない」と無視されたり。。。


お弁当に海苔巻きを持っていったら、コミュニケーションを図るためと考えたらしいいのだけれど、裏目に出て、「何だそれ。そんなの食べ物じゃない。そんなの糞だ」「クセ~」「クセ~子Stinky girl」の大合唱になったらしい。。。その晩、夕食のテーブルで号泣。「私は臭い子だ」って号泣。。。


最近、僕か住んでる辺りじゃ「海苔巻き」はどこででも売られてて、街では珍しくもなんともない誰もが「SUSHI ス~シ~」と呼ぶポピュラーな食べ物なのに、ちょっと離れたところに行くと、まだまだ抵抗があるのか。。。

学校での人種がらみの問題、僕が知ってるだけの数校で全く無いとは言えないが、うちの子たちはこれまで幸いそういう目には1度も会っていない。うちの子たちは彼らの周りの仲間たちから「ハーフで二つの文化のアイデンティティを持つことはラッキーなこと」として見られて、おかげでポジティブなアイデンティティ形成を回りに手伝ってもらっている。クラスで陰湿な発言や行動があったなんてことは一度も無い。萌ちゃん、こんなに小さいのにそんな目に会うなんでかわいそうでかわいそうで。。こんなことはあってはいけない。断じていけない!


この国には人種差別グループがある。おそらくどこの国にもいまだにナチスみたいなメンタリティー集団はいるのだろうけど、僕がこの国に来た頃、そういうグループの反社会的活動やそういうグループに属する人たちが起こす問題なんかが新聞に出ていることが何度かあり、僕はショックで驚き、怒り、悲しくなった。

まだそういうグループは存在するのだろうけれど、奴らの活動の話を近頃では全然聞かないし、僕の周りでは全く無いし、うちの子たちはハッピーだし、最近の人種問題はイスラム教=テロリストに限られてて、矛先が日本やアジアに向く人種問題のアンテナが鈍っていたところにバチバチバチっとこの萌ちゃんのことを聞き衝撃だった。

僕が今の仕事をしている一つの理由は、そういうグループと対抗するためでもあったのだ。幼い頃から異文化に接し、異文化とは顔をしかめるようなことではなく、おもしろく・興味深く・お互いから多くを学べるものなのだと幼いうちから知って欲しい。そして体験して欲しい。だからこの仕事についた。小さいうちからの教育・慣れ・ポジティブな体験で偏見はなくなると信じている。これは僕の個人的戦いでもある。


萌ちゃんの学校もがんばってほしい。がんばらなくちゃダメだ。


ペタしてね

萌ちゃんの担任の先生や校長は1年間がんばってくれたらしいのだが、学校で解決できる許容範囲を遥かに超えているらしいと友達夫婦は転校を決定したらしい。