4 ただいまの話を聞いていると、いざとなれば公的資金が導入される金融機関、いざとなれば一般会計から補てんされる公営企業だから、こうやって無責任な運営や経営が出来るのでしょう。


では、もう一つの転機である平成11年度の包括外部監査についてお聞きしたい。

この監査の結果はどのような内容であったのか確認したい。

答弁

○ 平成11年度における包括外部監査の監査結果としては、

・事業計画時点の問題点として、事業採算性の評価が十分でなかったこと


・ 事業計画後の問題点として、事業運営状況の的確な把握及び収益改善に積極的に取り組んでこなかったこと


・ 今後の事業活動に対する問題点として、平成12年から5年後の単年度収支黒字について、未達成の場合の取組方針も検討しておく必要があると指摘されている。


5 「事業計画時」、「事業計画後」及び「今後の事業活動」に対し、それぞれ問題点があげられているということであります。交通局は、この監査結果を受け、何らかの対応を検討したのか。


答弁

○ 当局としては、受託行に抜本的な改善策を早急に講じ、所期の目的が達成できるよう強く求め、更なる管理委託経費や支払利息の軽減を実施させた。

また、平成13年5月に受託行と当局で住之江用地土地信託事業協議会を設け、実現には至らなかったが、特別養護老人ホームなどの誘致を検討した。

一方、日本政策投資銀行からの借入金の繰上返済についても協議を行い、平成14年に支払利息の削減を行った。


6 交通局としては、一定の対応は行ったようである。そのようなことも踏まえ、先ほどの局長説明にもあったように、今回の外部監察チームの報告において「信託事業が計画・実施された時期や受託行の対応等、他に考慮を要する事情が存在する」という総括になっているのだと理解する。


しかし、民間であれば必ず何らかの結果責任を取る事が常識であり、この時も何ら結果を出せないのは公営企業の欠陥であると言わざるを得ない。

一方で、総括では、決断の時期を早めていれば、本件信託事業の結末が現在のものとは違った形になった可能性に言及されているということであるが、なぜ、この外部監察チームによる調査が「大きな転機となりえた」という時期に抜本的な対策をとることができなかったのか。また、仮に、事業の中止などを早期に決断していれば、どのような形になっていたと考えているのか。

答弁

○ 当時、開業後も長引く景気低迷の影響を受け、事業収支は非常に厳しい状況であったが、当局としても、受託行に経費の一層の削減や賃料収入の増額に努めるよう強く指導するなど、事業の経営改善に取り組んでおり、事業中止の判断には至らなかった。


○ 決断の時期を早めれば結末が変わったのかとのご質問であるが、仮定の話で答えにくいが、外部監察チームの委員からは、当時、何らかの施策をとれば、負債が減った、増えたとの確証が持てないとの発言があった。


○ ただ、現時点から見れば、事業の中止を判断していれば、平成11年度末では借入金残高は約250億円であったことから、元本債務は現在の約283億円より少なかったものと考えられる。