ある会社に周りからの信頼が厚く誰からも好かれる社員がいた。今回は仮に社員Aとしよう。社員Aは堂々とした出で立ちでどんな困難にも立ち向えるといった雰囲気を持っている。周りからの憧れの的で悩みの相談をする者も多い。
  ある会社に周りからの信頼もなく頼りない社員がいた。仮に社員Bとしよう。社員Bは何を恐れているんだと周りに思われるくらい常に弱気で臆病だ。しかし持ち前の真面目さと誠実さのおかげで周りにため息をつかせながらもなんとか毎日を過ごしている。

  社員Aはちょっとやそっとじゃ失敗をしない。あの人はなんであんなに完璧なんだろうと周りは言う。しかも、誰かの失敗を咎める事なくアドバイスをしてあげたり一緒になって失敗をカバーしてあげる始末。
「それも経験だよ」これが社員Aの口癖だ。
  社員Bはよく失敗をする。失敗といっても大きな事から小さな事まで様々だ。大きな失敗と言えば昔会議で使う大事な資料のデータを紛失してしまい大目玉を食らった事がある。
「なぜ失敗するのだろう。。」これが社員Bの口癖だ。
社員Bは持ち前の真面目さと誠実さで失敗を何度も乗り越えてきた。小学生の頃サッカーボールで他所の窓ガラスを割ってしまい一時は逃げたが心につっかえる物があり戻って謝った。何度も頭を下げた。するとその家の持ち主は少し怒った口振りで「もういいから帰りなさい」と言った。泣きながらその場から立ち去りもう2度とあの場所ではボールを蹴らないと心に誓った。
大学生の頃は恋人の髪の毛の変化に気づかずに怒られた。それからというもの恋人を良く見るようになった。勝手に恋人のシャンプーを使って激怒された経験もある。「ごめんなさい。君がいない時も君を思い出したかったんだ」そう言うと恋人は笑った。どうやら許してくれたようだ。
  社員Bは生まれてから沢山の失敗をしてきた。特に新しい環境に入った時は失敗だらけだ。その度に謝り埋め合わせをし真面目に誠実に失敗に向き合った。同じ失敗をした事もある。失敗する度に失敗を心に刻んだ。
【失敗は恥ずかしい事だ】そう思う人もいる。社員Bも昔はそうだった。失敗する度赤面した。周りを気にした。でも社員Bの好きな人はみんな「失敗した後が大事だよ」「しっかり謝ってからどうするか考えなさい」等と言う。

  社員Bは少しずつ逞しくなっていった。
失敗に慣れたと言われればそうじゃない。失敗を乗り越えて強くなった。その度に周りに助けられて心が楽になるのを感じた。何年か経った頃には味方が増えて頼られる事も少しずつ増えた。失敗はまだしてしまうが人に優しくなった。相手の気持ちになって話しを聞いてあげれる事が増えた。「その経験俺もあるわー」と懐かしく思う事も多くなった。
  更に何年か経った頃にはすっかりと周りから信頼され失敗した時に頼る人と言えば社員Bだ。何より経験豊富で様々な事を知っている。きっと失敗から学んだ事が殆どだろう。失敗は怖いものだ。誰もが失敗しない人生を送りたい。しかし生きる中で失敗から逃げる事は出来ない。時には理不尽に怒られる。失敗が多い人は周りから蔑まれる事もあるだろう。言い訳が多い人は失敗から逃げてる人が多い気がする。失敗を受け入れない人が多い気がする。当たり前の事だが失敗を受け入れて誠実に向き合う時も必要だと思う。それで人は人に優しくなれる。本当に気持ちを分かってあげられる。今落ち込んだり失敗続きで暗くなってる人には前を向いて欲しい。本当の最悪は死ぬ事だ。失敗を取り返す機会がもらえない事だ。まだまだこれからチャンスがある。人の為に多くの事が出来る。
いつか社員Bが社員Aと呼ばれる日が来るように人は過去じゃなく今を見る。この先の未来で社員Aになれるか社員Bのままで終わるかは【失敗】と上手く付き合えるかどうかな気がする。

失敗は当たり前だ。明日も強く生きよう。