久しぶりに山姥切国広──まんばっぺが近侍だった。
薩摩の本丸の主・ギョリイは、四畳半の主殿を行ったり来たりしていた。
∈(👁️___👁️)∋絶対に今日な気がするぺ!
落ち着かない。とにかく落ち着かない。
机の周りをぐるぐる回り、縁側に出ては庭を見て、また部屋に戻る。
まんばっぺは腕を組んだまま、その様子を少し呆れたように見ていた。
「……そんなに歩き回ると床が抜けるぞ」
∈(👁️___👁️)∋ナマズオ的予感っぺ!
「またそれか……」
そのときだった。
廊下の向こうから、確かな足音が近づいてくる。
主殿の空気が変わる。
襖が静かに開いた。
そこに立っていたのは──
不動行光。
だが、ギョリイとまんばっぺは同時に目を丸くした。
いつもふらふらして、酒の匂いを漂わせていたあの姿はどこにもない。
背筋はまっすぐ。視線はまっすぐ。顔つきまで引き締まっている。
シャキナマッッッ!!している。
不動は一歩進み、きっぱりと名乗りを上げた。
「不動行光、今代の主のもとに只今帰還!」
その声は、驚くほど澄んでいた。
主殿に沈黙が落ちる。
そして。
∈(👁️___👁️)∋おぬし……だれぺ!!
まんばっぺが思わず吹き出しそうになるのを堪える。
不動は一瞬ぽかんとしたあと、眉をひそめた。
「……えっ、お前は誰だって?ひどいなあ」
肩をすくめ、苦笑する。
「酒を抜いてきただけだよ!」
その言葉に、主殿の空気が少しだけ柔らいだ。
ギョリイはじっと不動を見つめていたが、やがて大きくうなずく。
∈(👁️___👁️)∋……よし、わかったぺ
「何が?」
∈(👁️___👁️)∋おぬし、本物っぺ
「だからそう言ってるだろ!」
∈(👁️___👁️)∋ただし
ギョリイは腕を組んで言った。
∈(///👁️___👁️)∋ちょっとカッコよくなりすぎっぺ
まんばっぺはついに笑ってしまった。
春の風が、本丸ガーデンの花を揺らす。
背びれを撫でるようなやわらかい風の中で、修行から帰ってきた一振りの刀は、少しだけ照れたように頭をかいた。
薩摩の本丸の春は、まだ続いていく。


