ロシアのプーチン大統領が世界の主要通信社トップとのオンライン会見で、共同通信の質問に次のように答えている。(日本時間5日未明)
 「憲法改正は考慮する必要があるが、日本との平和条約交渉を停止しなければならないとは思わない」また、「平和条約締結後にソ連は日本に歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島を引き渡すと定めた1956年の日ソ共同宣言以来、日本は2島返還と4島返還で要求を繰り返し変えてきた」と述べ、さらに「ソ連もロシアも4島返還には合意していない」「米国の日本へのミサイル配備計画は、ロシアの脅威にならないかという問題が常に生じている」と指摘した。
 プーチン大統領の発言は、日ソ・日ロ外交の事実を述べている内容である。外交は積み重ねであり、約束したことは守るのが前提である。
 この点、日本は1956年日ソ共同宣言の際もダレスの恫喝があり、その後の東西冷戦の激化、ブレジネフ時代の北方領土問題は存在しないという姿勢に日本は4島一括返還、その上に「即時」と強く言わざるを得なくなったこと、1991年ソ連が崩壊し、自由と民主のロシアになり、エリツィン大統領が北方領土について「法と正義に基づき話し合いで解決する」となり、日本も「4島一括返還」から「4島の帰属の問題を解決して平和条約の締結」に大方針転換した。
 橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗総理による良好な日ロ関係、そして小泉政権から民主党政権までの空白の日ロ関係10年間、平成24年(2012年)安倍第2次政権からの新たな日ロ関係、平成30年(2018年)11月14日の安倍―プーチンシンガポール合意である。
 日ロ平和条約締結は、このシンガポール合意でしか解決の道はない。今でも原理原則を述べる連中は、平和条約を結ばせない為の反対の為の反対である。
 外交には相手がある。日本が100点、ロシアが0点という外交はなく、その逆もない。折り合いをつけるのが外交交渉である。
 今回のプーチン発言を外務省はしっかり受け止め、菅総理をサポートして戴きたい。
 秋葉外務次官を核心とする外務省の腕の見せ所である。