日露両首脳が記者会見し、会談の成果を明らかにした。
今朝の新聞各社は「領土問題では進展なし」という見方が大方だが、私は平和条約締結に向けての大きな一歩を印したと受け止めている。
それは北方四島で日露両国の法的立場を害さず、特別な制度を作り、共同経済活動を行うことを合意したからである。
今、ロシアが実効支配している場所で主権問題を棚上げし共同経済活動をするということは平和条約の一部と考える。
北方四島が現状のままでロシアは何も困らない。一島でも二島でも還してもらいたいのが日本である。ロシアにとって譲歩する必要はない。そのロシアに関心を持たせ、平和条約締結に向けて色々知恵を出していく立場は日本の方である。
プーチン大統領は明確に極東・サハリンでの経済協力、さらに北方四島での協力が平和条約交渉の雰囲気作りを促進すると述べた。
安倍総理は過去にとらわれない新しいアプローチ、未来志向で平和条約締結に向けての決意も表明した。
今回の会談で元島民の北方四島への自由往来の拡充、改善ができたこともこれも平和条約へと繋がる大きな成果であり、元島民は平均年齢81.3歳、人道的見地からも良かった。自由往来については元島民の手紙をプーチン大統領に渡した安倍総理の政治感、外交手腕を高く評価したい。
元島民の手紙には北方領土を友好、親善、共同の島にしたいというようなことが書かれていたと伺っている。
あの手紙が四島還せ、不法占拠と書かれていれば逆にマイナスになる。元島民の率直な人間味あふれる手紙にプーチン大統領も胸揺さぶれたことではないか。いずれにせよ安倍総理が一本取った形の「自由往来」、合意であった。
昨夕から今朝にかけて私もテレビ局を4局ほど廻ったが、領土問題について「進展がなかった」と簡単に言うが、外交には相手がある。日本の主張が一方的に通る外交はない。
特に領土問題、わけても戦争で失った領土を一滴の血も流さずに平和裏に取り戻す例は無いといって良い。
信頼関係を醸成し「我々の世代で解決したい」と確固たる信念と決意を持って平和条約締結に向ける安倍総理の姿勢を大いに評価したい。
プーチン大統領から安倍総理の都合の良い時の訪露招待、9月のウラジオストックでの東方経済フォーラムへの出席要請があった。来年もこうした首脳会談で更なる前進が見込まれることだろう。
今回の首脳会談で私がかねてから言っていた平和条約締結に向けての「道筋、新しいスタート台」は作られたと受け止める。
安倍総理とプーチン大統領の間で必ず平和条約締結が実現するものと確信した次第である。
※明日12月18日(日)19:20~20:30の間に、BS朝日「いま世界は」(日露首脳会談)に生出演します。是非ご覧になって下さい。