今回は、神産巣日神 ～大地の司令神～ についてお話をしていきます。別天神（ことあまつかみ）と言われる通り、この世界の天神（天津神）と違う神という意味です。造化三神（ぞうかさんしん）とは、この世界の天津神の原初を創った神《天之御中主神・高産巣日神・神産巣日神》を指しています。
～神産巣日神とは～
【性別・別称】
性別が無い独神です。造化三神・別天神とも呼ばれます。
【神名】
神産巣日神（かむむすひのかみ）（古事記）／神産巣日之命（古事記）
神産巣日御祖命（かみむすひみおやのみこと）（古事記）
神皇産霊御祖尊（かむみむすひみおやのみこと）（先代旧事本紀）
神皇産霊神（かむみむすひのかみ）（先代旧事本紀）
神皇産霊命（先代旧事本紀）／神皇産霊（先代旧事本紀）
神皇産霊尊（日本書紀、先代旧事本紀、神祇本紀、地祇本紀、国造本紀）
神魂尊（かみむすひのみこと）（先代旧事本紀、国造本紀）
神魂命（出雲風土記、出雲国造神賀詞、先代旧事本紀 国造本紀等）
神魂（かみむすひ）（祈年祭、六月月次）
神産霊神（かみむすひのかみ）（古語拾遺）
神産霊（古語拾遺）神産日神（宮中神御巫祭神）
神留弥命（古語拾遺）
【神格】
司令神、生成力の本源神、地の生産・生成の創造の神、出雲の神々の祖神、農耕神
【御利益】
豊作、縁結び、厄除け、開運、招福、農耕守護、延命長寿、無病息災
【神産巣日神とは】
古事記の中では、出雲の神々に対して援助や命令を与える働きを担っています。出雲地方では、神産巣日御祖命とも呼ばれており出雲の神々の祖神であり親神・母神であり女神として祀られていたのではと考えられています。その他様々な説があります。
①天の要素は後に加わったものとする説
②中央の神であったとする説
根拠…古事記・出雲風土記より元来は出雲土着の神ではなく西日本の海沿いの地域で信仰された海の神であるという考えから
③朝廷（中央）で祀られるようになったという説
根拠…元々、出雲地方・西日本の海沿いの地域で信仰されていた祖神が、大和朝廷に併合されていく過程で造化三神となったと捉えた。
〘神産巣日神の古事記での位置付け〙
最初を除き『出雲系神話に登場』します。『最初に国を作りまとめた出雲の神々（須佐之男命・大国主大神等々）の祖神である神産巣日神を天津神にする事により、神産巣日神を皇統側に付け、それによって出雲系神話の出来事は、皇統側の一部となる』こうして出雲を取り込んでいったという説があります。
《漢字と音から読み解く》
漢字で見ていくと古事記では、『神々』を作り出す大本の存在として書かれています。日本書紀及びその他の書物に於いては、『神々と天子（天皇）を生み出す神々の霊魂を司る大本の存在として書かれています。古事記と日本書紀及びその他の書物との違いは、『天子（天皇）』が入るか入らないかの違いでしょう。
音から見ていくと『特定の何か』ではなく『万物を生産・生成する』存在として捉えられています。また太陽神としても捉えられています。両者に共通することは、『太陽神』であることと『生産・生成する神』であることです。色々な説がありますが、この二つは必ず含まれています。
〘漢字から読み解く〙
神産巣日神
神を 作り出す 環境を 司る 太陽 神
神産巣日御祖命
神を 作り出す 環境と 時間を 司る 大本の 神
神皇産霊御祖尊
神と 天子（天皇） を 生み出す 神の霊魂を 司る 大本の 神
〘音から読み解く〙
「神」は、神のすぐれた威力を意味する美称とする説があります。読みはカミ・カム両説ありますが一般には、修飾語の場合カムの語形になるとされています。ムスヒ（産巣日）とは、生産・生成を意味、万物を生成する働きをする神などと捉えられています。また、日は、太陽神として捉えられる説も有ります。即ち、神の優れた威力がある万物を生産・生成する働きをする太陽神ということです。
～和製タロットカードの説明～
和製タロットカードでは、高御産巣日神を大アルカナ現世３にしています。
【カード解説】
◎占術神格︙大地の司令神
■正位置︙権力、公平、博愛、生誕
■逆位置︙非力、不平等、消滅
【カード意味】
慈愛の心があり総ての者を包み込むような深い愛情を持って加護をするカードです。また、無から有を生み出す力があり縁結び子宝妊娠等を予兆させるカードでもあります。不正を嫌い公平で博愛に満ちた環境へ誘う意味が含まれています。
力強く強引に物事を推し進めるのではなく総意の元で和を保って物事を進めていくという過程を重んじます。結果のみを重視せず過程を大切にするカードです。
カードはメルカリにて販売しています。売り切れていた場合はご連絡下さい。
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～神産巣日神から一言～
今回からズバッと本音でサクッと行って頂ければと思っています。と言いましても造化三神は、同一神なので三回も同様のことを聞くのは無意味ですから、テーマを決めて話していきます。今回のテーマは「造化三神と占い」です。
私
「今回は《造化三神と占い》についてお話をお願い致します」
神産巣日神
「あいわかった。その内容で話を進めよう。占いと我々とは切っても切れない関係がある。古代に於いては、占いとは言わず神懸り神託等と言われていたが、現代においては、それらが全て占いの範疇に入っている」
私
「そうですね。ごちゃまぜですね」
神産巣日神
「それはいいのだ。時代の流れには逆らえぬ。言葉（言霊）の重さは違うが、それも受け止め次第。この事は、現代も古代も変わりはない」
私
「はい」
神産巣日神
「話を戻そう。古代のことは、今更話しても致し方ない。現代の話をしよう。現代での関わりと言えば、もっぱら神託というより、占いの助言程度に受け止められている」
「これは、役割の変化と言うより、時代の流れなのだろう。神社も儀式ばかりにこだわり、神託の重要性や意味やらを置き去りにしている」
私
「う～ん。それを批判というか変えようとしている人もいますが、変わってませんね」
神産巣日神
「そうだな。努力はしているようだ。仕方ないな」
私
「はい。現代においては、占いの助言程度に・・・ちょっと悲しいですね」
神産巣日神
「致し方あるまい。唯物史観が大勢になり、心のあり方、伝統、連綿と続く事柄の重要性等々に目が向けられていない。歪みは当然生じるが・・・。」
私
「歪みですか。それは？」
神産巣日神
「簡単な話だ。人々から理性やら品位やら思いやりやらが減っていくということだ。心の問題が軽視されていく。表面に出た問題を討論するのみでそれに至る過程を考えなくなり、結果のみを討議するのみになる。結果が悪くなければ過程は無視されていく」
私
「あ・・・はい。何となく解ります。要は、《問題が表面化しなければ何をしても良い》的な風潮になってしまう。ということですね」
神産巣日神
「そうだな。我らはそれを心配する。なに、神々なんて信じなくても良い。人が人たらしめるのは何か？ということだ。道具を使う動物以下に成り下がるか、神に近づくか。今後が楽しみでも有る」
私
「確かに、ちょっとね・・・って思うことが多いのは確かですね」
神産巣日神
「あぁ、そうだ。まぁ・・・話は反れたが、占いと我々神々（造化三神に限らず）との関わりは少なくなっているのは確か。何も仰々しく物事に接しよ。とは言わぬ。ただ、もっと親密になって物事に取り組んでほしいと思うだけだ。ただ、《占いの言葉》として受け止めるのではなく実行する助言として活用して前に進んでほしい」
私
「わかりました。今回も色々ありがとうございまいた」
神産巣日神
「うむ。また何かあったら話をしよう」
～最後に～
最後まで御覧頂き有難うございます。リニューアル第三弾として書きましたが、要望等がありましたら、記載して頂ければ幸いです。