若きころの中原中也さん。
知られている写真とはちょっと違うものである。
サーカス
幾時代かがありまして
茶色い戦争ありました
幾時代かがありまして
冬は疾風吹きました
幾時代かがありまして
今夜此処での一さかり
今夜此処での一さかり
サーカス小屋は高い梁
そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ
頭倒さに手を垂れて
汚れ木綿の屋蓋(やね)のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
それの近くの白い灯が
安値いリボンと息を吐き
観客様はみな鰯(いわし)
咽喉(のんど)が鳴ります牡蠣殻(かきがら)と
ゆあんー ゆよーん ゆやゆよん
このあと、まだ続きがあるのだけれど、僕が勝手に詩を省きました。それと一さかりもパソコンにない字なのでひらがなにしました。
なぜこの詩が僕を捉えて離れないかというと、母親が非業の死を遂げたあとに、僕の心に空いた空洞を埋めてくれた女性に出会えたからです。
泣いてばかりいる僕の横で、彼女がこの詩を読んでくれました。
嘘みたいだろうけど、本当です。
42年前の彼女の写真。
いまさらだけど、もう彼女は亡くなられています。
だから、許して欲しいな。
中原中也さんの詩は悲しい詩が多いです。
だから余計に胸を打つのです。
こういう時代だから、自分の人生をゆっくり振り返るのかも・・・・・・
未来のあるあなたたちは、希望を持てるように・・・
祈っています
では