【前編の続き】
園場:
映像1号車です。
現在先頭の速水選手、7キロを通過しました!
区間記録は…2分25秒!
先ほどの区間とほぼ同ペースで、先頭で上り坂へと入っていきます!
囲野:
速水選手はここからが勝負所ですね。約2キロもの大量リードを後続がどこまで詰めれるのか…気になる区間になると思います。
速水M:
よし…こっからが大勝負…まずはこのまま一番乗りで坂を登り切ってやる!
園場:
映像2号車に変わりました。6人集団が5キロ地点を通過しました。区間記録は概ね3分2秒。ここで各選手、補給をしっかり済ませて走り出しました。おっとここで達川選手が集団の中から前に出ました!ここまで集団のペースに合わせていた達川選手が前に出始めました!
囲野:
ここで達川選手ですか。少し仕掛けるタイミングが早い気がしなくもないですが、そろそろ仕掛けたかったのも分からなくはないと思います。
先田M:
お?あの人、前に出たな…給水してペースが上がったか…いや、それでも仕掛けるのが早過ぎると思う。何せこのあとが大変だからな…
園場:
映像、3号車に変わりました。現在8位の尾生選手、5キロ地点を通過しました。区間記録は…3分10秒。ここまでの5キロをちょうど16分で駆け抜けていきました。その後ろ、有川選手が追う展開となっております。
囲野:
尾生選手は良いペースですね。
走りも安定してますし、このあとの上り坂が非常に楽しみです。
尾生M:
(給水)…ふい~生き返るぅ♪さーて、こっからこっから♪
園場:
そしてバイクの映像です。最後方の林選手が5キロ地点を通過しました。これで全選手、5キロの給水ポイントを通過していきました。映像2号車に変わります。現在、単独2位の達川選手が6キロ地点を通過しました。区間記録は…2分30秒!集団を置き去りにするかのように、ペースを上げております。その後ろ、5人集団が6キロ地点を通過。後続の5人集団は無理に達川選手を追うことはしません。
囲野:
平坦な道は誰もが一番走行する所ですからね。平坦だからこそ、達川選手も走りやすくてペースを上げたのだと思います。一方の5人集団ですが、このあとの上り坂を警戒しているのだと思います。ここで体力を使ってしまいますと、上り坂がキツくなる事がありますので。
先田M:
だいぶ先まで行ったなぁ…まぁ、まだこっちは我慢かな…
園場:
映像変わりまして3号車です。有川選手が8位に浮上し、6キロ地点を通過しました!その後ろから尾生選手、更にその後ろから最後方の林選手も見えてきてます。
囲野:
有川選手と林選手はペース戻ってきましたね。給水ポイントとこの平坦なコースで息が整ったように見えます。
尾生M:
ほぅ…ここでペースを上げてきたか…ただ、こっちはまだ上げなくていいかな…
園場:
映像1号車です。先頭の速水選手ですが…苦しそうです!やはり下りで飛ばしたのが響いてきたか!?8キロ地点を通過し…4分23秒。先ほどの下りの区間記録と倍以上の時間がかかっております。
囲野:
下りが得意な分、上りが苦手のようですね…これから上り坂に入る後続がどこまで追い上げてくるかが気になる所です。
速水M(疲弊状態):
…あれ?まだ8キロ地点…上り坂って、こんなに長かったっけ…?
園場:
映像2号車に変わりました。現在2位の達川選手、7キロ地点を通過しました。区間記録は…2分28秒!良いペースを保ちながら、これから約2キロある上り坂へと入っていきます。その後ろ、5人集団が追う展開となっております。達川選手との差は、概ね15秒離れているペースになっております。
囲野:
達川選手、良いペースですね。…それにしても、先田選手がここまで仕掛けて来てる気配がないのが気になりますね。
園場:
確かに…ずっと集団の中にいますよね。
囲野:
恐らく上り坂で仕掛けてきそうな気がします。表情見ても息も上がっている感じはないですし、余力は残っていそうですので。
先田M:
んー…7キロ地点まで来たという事は、この先確か上り坂があるんだっけ…どのタイミングで仕掛けよっかな…?
園場:
さて、囲野さん。
ここまでの展開を見て全体的にいかがでしょうか?
囲野:
そうですね。ここにきて先頭の速水選手のペースが一気に落ちましたので、後続が追い上げてくるのも時間の問題になりそうです。あと、尾生選手も最後方に下がりましたけれども、ペースは一定を保ってますので、この先の上り坂での走りに期待です。
園場:
なるほど。
お、映像3号車に変わりました。まず先に有川選手が7キロ地点を通過していきます。区間記録は…3分1秒。その次に林選手、そして最後方、尾生選手が7キロ地点を通過していきました。林選手の区間記録は…2分59秒。尾生選手の区間記録は…3分9秒となっております。有川選手と林選手はペースを取り戻してきており、一方の尾生選手は、スタートからここまでほぼ一定のペースを保ち続けております。
囲野:
有川選手と林選手はいい走りになってきましたね。尾生選手も、この位置でしたら十分追い付けると思いますね。
尾生M:
よし、ここから上り坂…位置取りを見極めて…一気に駆け上がってやる!
園場:
映像2号車に変わります。
おぉ?!先田選手、集団から抜け出し、達川選手に追いつきそうです!達川選手に疲労感が見えてきておりますが、先田選手はまだ余裕がありそうです!
先田M:
周りが全体的にペースが落ちてきたからな…ここである程度仕掛けておかないと、先頭に追い付けないかもしれない…ならば…ここしかない!
園場:
さぁここで先田選手が達川選手を捉え、8キロ地点を通過しました!先頭の速水選手との距離が確実に縮まってきております!
囲野:
先田選手、仕掛けてきましたね。ここから一気に速水選手を猛追し始めると思いますね。
園場:
おっと、ここで3号車から映像が入ってきました。なんと…最後方に居た尾生選手が、上り坂で一気にごぼう抜きしています!8キロ地点を通過しまして、区間記録は…2分28秒?!上り始めて約1キロで6人抜きで4位に急浮上です!その後ろから4人集団と有川選手と林選手がくらいつこうしていますが、尾生選手の速度に追いつけません!
尾生M:
そう…この約2キロの上り坂は体力を特に持っていかれやすいポイント…だが、俺はこの大会に備えて、坂路を徹底的に走り抜いてきた…!そうだ…ここから一気に追い抜いてやるのさ!
園場:
さぁ、映像変わって1号車です。先頭の速水選手…約2キロの上り坂を上り切り、残り1キロの看板を通過しました。先頭で通過しましたが、相当苦しそうな表情と息づかいです!大丈夫でしょうか…?
囲野:
スタートからほぼほぼ全力疾走でしたし、上り坂は特に苦戦してましたからね。息が上がるのも無理ないと思われます。
速水M(疲弊状態):
あと1キロ…山場は越えた…あとは…このまま突っ走るだけ…っ!
園場:
おっとここで2号車に映像が変わりました。
これは…速水選手を追う2位の位置にいる先田選手ですね…先田選手、ここでようやく上り坂を上りきりました。
先田M:
…よし、山は越えた。ここからは平坦な道…先頭を捉えてやる…!
囲野:
お、先田選手…更にペース上げたかもしれませんね。
園場:
!…確かに、速くなった感じがします!
囲野:
平坦で緩やかに曲がる所が幾つかありますが…そこは上手く調整してくるでしょうし。このまま行けば速水選手に追いつくかもしれませんね。
園場:
ここで3号車と中継が繋がりました。3位の達川選手が上り坂を上り切りました!2位とは約25秒ほど離れている差となります。…と、その後ろからランナーの姿が見えてきました。尾生選手です!尾生選手、上り坂を登り切りそうです!
尾生M:
もう少しだ…もう少しで上りきる…!
ここを上れば…!
園場:
さぁ尾生選手、上り坂を終えました!…なんと!約2キロもの上り坂を約5分ほどで登り切りました!ここから先頭に追いつく事は出来るのでしょうか?!…と、ここで2号車と中継が繋がりました。!…先田選手から約200m先の先頭を走る速水選手の姿を捉えたようです!
先田M:
…よし、一瞬だが先頭が見えた…!ここからラストスパートだ…!
速水M:
!…後ろから、気配がする…!それでも…先へは絶対に行かせないっ…!
園場:
さぁ先頭残り500m…!?…なんと、先田選手の後ろ…見て下さい!尾生選手の姿が見え始めました!9キロ地点では達川選手が先に9キロ地点を通過したのですが、ここに来て尾生選手の姿が先に見えました!まだ体力は有り余っているというのか!?
尾生M:
よし、2番手が見えてきた…!残り距離もあとわずか…ここから全力疾走だ…!
先田M:
!…背後から気配…!?…いや、先頭に集中っ…!
園場:
先頭残り400m!速水選手、先田選手、尾生選手ともに…ほぼほぼ等間隔ペースで差が徐々に縮みつつあります!…そして、尾生選手からも先頭の速水選手を視界に捉えた模様です!
速水M:
逃げきるんだ…相手のプレッシャーに飲まれず、先にゴールするんだ…!
園場:
さぁ先頭残り300m!尾生選手が先田選手を猛追!それに気付いたかのように先田選手がペースを上げた!
先田M:
くっ…背後から気配を感じるけど…その前に先頭を追い抜いてやる!
園場:
1号車に映像が切り替わり、先頭残り200m!速水選手の後ろ、先田選手が先頭に迫ってきた!更にその後ろから尾生選手も差を縮めてきた!
尾生M:
いける、この距離なら…!
園場:
先頭、残り100mを切った!カメラはゴール地点に切り替わった!果たして最初にゴールテープを切るのは…!
速水・先田・尾生(全員気迫溢れる感じで[どれでいくかはお任せします]):
うおおおおおおおおおお!!!!!
はああああああああああ!!!!!
ぅおりゃああああああああああ!!!!!
(間)
園場:
3選手同時にゴール!!!なんという結末!こんなに手に汗握る展開、今まであったでしょうか!そして、3選手同時に地面に倒れこみました!
速水・先田・尾生(全員ドッと疲れが出た感じで):
はぁ、はぁ、はぁ…
ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ…
園場:
そしてタイムは…なんと!29分58秒!!!大会新記録!今まで破られなかった30分の壁を、100回大会という節目で突破しました!!!3選手の結果が出るまで今しばらくお待ちください!いやぁ~囲野さん!最後は3選手同時にゴールに飛び込みましたね!
囲野:
そうですね。最後まで誰が1位になるか分からない展開になった大会…私のランナー人生の中でも初めてです!過去の大会でも、出そうで出なかった30分の壁の突破もお見事です!
園場:
そしてここで達川選手が4位でゴール。記録は30分46秒となりました。…さあここで、3選手のスロー映像が準備できたようです。これは、ゴールゲート真横の映像ですね…おぉ?
囲野:
こ、こんな事が…まさに劇的ですね…
園場:
そうですね…あ、真上からの映像もきましたね。
!…なんという事でしょうか…
囲野:
どの角度から見返しても…3選手同時にゴールしている…こんな事、今まで無いですね…
園場:
それでは、主催より結果のアナウンスが入りそうです。
(長めの間 ※約10秒)
園場:
なんと…1位は速水選手、先田選手、尾生選手の同率3選手という発表が出ました!いやぁ~私も今までマラソンや駅伝の中継を幾つも務めさせて頂きましたが…同率1位という結果は初めてです!しかも3選手も!
囲野:
終始先頭を譲らなかった速水選手も流石の一言でしたし、先田選手も周りの選手に囲まれながらも、上りで抜け出して最後は追いつきましたし、尾生選手も前半は最後方にいながらも、後半上手く仕掛けて先頭を捉えた…3選手ともお見事でしたね!
園場:
それでは…同率優勝となりました3選手と中継が繋がっております。囲野さん、宜しくお願いします。
囲野:
どうも囲野です。皆さん、お疲れ様でした。そして、優勝おめでとう。
速水・先田・尾生:
ありがとうございます。
囲野:
まず、速水選手に伺います。
速水:
はい!
囲野:
前半、スタミナ度外視のような走り方だったけど…あれは作戦だったのかな?
速水:
そうですね。スタートと同時に少しでも前へ行くためには自分が前に出ないと、と思い最初から全速力で飛ばしました。
囲野:
その全速力はどの辺りまで計算してたのかな?
速水:
上り坂を登りきるくらいまでですかね。そこまでに相手選手の視界から見えない位置にいれば逃げ切れると思っていたのですが…上り坂で失速してしまい、最後同着になってしまったのは反省です。
囲野:
ありがとう。では次に先田選手に伺います。
先田:
はい!
囲野:
スタートから上り坂終わる辺りまで、そこまでペース上げずに安定した走りをしていたように見えたけど…ペース配分とかは意識してたのかな?
先田:
そうですね。最初は位置取りを気にしながら、周りのペースも上り坂入るまではいいペースだったので、
無理無く走れたと思います。
囲野:
そして、最後の1キロ地点辺りからペース上げたね。あそこまでスタミナを残していた上でペースを上げたのかな?
先田:
はい。1キロの看板が見えたらあとは概ね平坦な道だというのは把握していたので、終盤で先頭の姿も見えてきて、残った力を振り絞ったのですが…最後は捉えきれなかった感じで悔しいですね。
囲野:
ありがとう。では最後に尾生選手。
尾生:
はい!
囲野:
前半、最後方からのスタートで、上り坂が始まる辺りまでは結構ゆったりとしたペースが続いてたけど、あれも全部計算かな?
尾生:
はい。最初は緩やかな下りと平坦な道が併せて約7キロあって、ここで変にペースを上げるよりかは他の選手が疲れやすく自分の得意な上り坂で仕掛けたほうが良いと思っていたので、上り坂に入り始める辺りでペースを上げました。
囲野:
上り坂に入ってからはその作戦通り、相手選手をごぼう抜き…あの追い抜き方は見事だったし、最後の残り1キロからも怒涛の追い上げだったね。
尾生:
ありがとうございます。ただ、最後の1キロは前を行く2人がなかなか見えてこなかったので…少し焦ってペースが乱れてしまったかなと思いました。
囲野:
ありがとう。改めて皆さんおめでとうございました。
速水・先田・尾生:
ありがとうございます。
園場:
という事で、優勝した3選手のインタビューをお送り致しました。それにしても囲野さん…3選手とも揃って、優勝の喜びを口にせず、自身の反省点を挙げていましたね。
囲野:
そうですね。本来なら3選手とも単独で優勝したかったと考えられます。まだまだ彼らは強くなると思いますよ。
園場:
現状に満足していないと。
囲野:
ええ。彼らはまだ大学生ですし、今後も陸上競技に携わるとすれば世界大会とかも目指すと思うので…現状に満足せず、これからもトレーニングを続けていくと思います。
園場:
なるほど…今後の活躍が楽しみですね!…さて皆様、『全国大学マラソン』、そろそろお別れの時間となりました。今回は、3選手の同時優勝と大会新記録…記録づくしの大会となりました。次回はいったいどのようなドラマが待ち受けているのでしょうか。実況は『園場 際華』、解説は『囲野 駿実』さんでお送り致しました。囲野さんどうもありがとうございました。
囲野:
ありがとうございました。
園場:
『全国大学マラソン』、また次回お会い致しましょう。さようなら。
