以下は「対少子化政策の論点」第9章から抜粋。

 

 

収入に占める子育て費用の割合

 

収入に占める子育て費用の割合を政策目標とするのはかなり具体的な目標である。それは、一部の家庭において、子育て費用が大きな負担となっているからである。特に、乳幼児期初期の子育て費用は大きな問題である。その問題は追加出生力を低下させている。つまり、少子化を招いているのである。少なくとも、乳幼児期初期の子育て費用を低下させるべきである。そして、この対策は子供の数を増やすことに繋がるはずである。

ただ一つだけ論点となる問題がある。実際の分析が示しているのは、子育て費用が追加出生力に影響を与えているということである。つまり実際にどれだけ費用が掛かったが少子化の問題となっており、収入に対する比率自体が影響を与えているとは実証できていない。保育費用の実額が影響を与えているというのは、本質的には収入対比のレベル感の問題であるはずだが、実際の実額自体が出産を控える要因となっている可能性は排除できない。そこに一点の問題がある。

また違うレベルの問題として、収入に占める子育て費用を目標にするとしても、どのレベルを目標値とするかは難しい。つまり、子育て費用が収入対比で10%以上掛かっている世帯の数を減らすのか、それとも20%以上掛かっている世帯こそが問題なのか、何をどう目標にするかは難しい。

 

いずれにせよ、具体的な政策としては乳幼児期の保育費を下げるものであり、収入に占める子育て費用の割合を低下させることを目標にするのではなく、保育費用の絶対額を下げることも同時に目標にすることができるのかもしれない。いろいろな類型は考えられるものの、子育て費用の高さが少子化に繋がっていることは間違いなく、その改善が求められている。