図7-19 待機児童数(季節差)

厚労省,  厚労省発表/各年4月1日と10月1日の状況

 

図7-19は待機児童数を示したグラフであるが、待機児童問題がある限りは、待機児童の状況は調べ続けられるべきである。この問題を解決できていないところに、日本の対少子化政策の至らなさが現れている。この状況は追加出生力を低下させる要因にもなっており、少子化の状況を悪化させてもいる。この状況は改善されるべきである。

 

図6-8 ひと月子育て費用(2年目、1歳半)(家族構成比)

厚労省, 2002 21世紀出生児縦断調査

 

図6-9 収入に占める子育て費用の割合(家族構成比)

厚労省, 2002 21世紀出生児縦断調査

図6-12 出生から中3までの子育て費用 

内閣府, 2009 インターネットによる子育て費用に関する調査/21世紀出生児縦断調査に合わせるために「預貯金・保険・出産祝い・家族レジャー・家庭内ご飯を除いた数字)

 

待機児童問題と同じくらい大きな問題が保育費用の問題である。もちろん、待機児童こそ先に解決を図るべき問題であるが、それが解決したとしても、現状のままであるなら保育費用の問題が残り、保育制度の不備は少子化に影響を与え続けることになる。特に乳幼児期初期、0-2歳児の保育費用の高さは深刻な問題である。その年齢の子供を持つ家庭の出生力は本来的には高いのであるが、保育費用の高さが追加出生力の低下を招いている。つまり、保育費用の高さは少子化の一因となっている。

図6-8はひと月あたりの子育て費用を表したものであるが、実証的には、この子育て費用の実額が追加出生力に影響を与えている。つまり、子育て費用が高くなるに従って、二人目を産む家庭の比率が減っていくのである。

とは言うものの、実額を気にするのと同じくらいに、図6-9で示している収入占める子育て費用の割合も重要視されるべきである。今のところ、収入に占める子育て費用の割合が高くなると、追加出生力が低下するとは確実には言えない。しかし、収入の10%以上を子育て費用に割いている家庭の割合は20%を超えており、かつ20%以上を子育てに割いている家庭も5%以上は存在する。そのレベルはそれ自体としても問題である。

基本的に、出生力に大きく影響を与えるのは乳幼児期の子育て費用であり、その中で、特に0-2歳児の子育て費用の状況が一番の問題になっている。図6-12は出生から中3までの子育て費用の推移を示したものである。小学生高学年から中学生の頃にかかる支出は必ずしも出生に影響を与えるものではない。中学生の子育て費用が高いのは塾代が高いからであるが、中学生の塾代が高いからと言って、子供の出産を控えるという家庭はとても限られているであろう。それは0-2歳児の保育費用が高いから子供の出産を控えている家庭があると合理的に想定されることと対照を成している。

それでも、それぞれの年代でどのような子育て費用がかかっているかは重要なことであり、どれくらいの影響を家庭に与えているかは常に調査されるべきである。