以下は「対少子化政策の論点」第9章から抜粋。

 

 

参照となる指標

 

少子化を解決するためには、具体的な解決策を模索する必要がある。もちろん、抽象的な議論も背景にある文化的・社会的背景を理解する上では重要であるが、それ以上に、何がどう変化すれば少子化状態から逃れることが出来るのか、具体的な道筋と具体的な方策に目を向ける必要がある。そのためには、目標とすべき指標が必要になってくるが、それと同じくらいに参照となる指標が必要である。参照となる指標は必ずしも目標とされるわけではない。対少子化政策には幾つかの道筋が考えられ、政策目標とならない指標であっても、少子化解決上の道筋にあるものや、脇道にある指標も存在する。その状況は少なくとも注視される必要がある。

行政の政策が深く社会の中に入り込むと、個人の自由を大きく制約する可能性がある。その結果、行政が目標としてはならない社会政策が存在することになる。特に対少子化政策は個人の自由を制約する可能性がある政策領域であり、行政は慎重に政策を立案遂行する必要がある。しかし、個人の自由に大きく関わるような事象であったとしても、行政はその動向だけは少なくとも捕捉する必要がある。そうでなければ、間違った政策を間違ったまま続ける可能性があり、少子化に関する事象の動向をしっかりと把握しておく必要がある。それはまた、目標とはならない指標を参照指標として調査する理由でもある。

 

そして、当たり前であるが、目標指標はその参照指標の一つである。多くの参照されるべき指標の中から、行政が対少子化政策の目標として何かを掲げることとなる。本稿において、これまで多くのデータを扱ってきた。それら全ては、ある意味、参照指標と言えるかもしれないが、重複するものや、詳細に分け入ったものが多くある。そこで、それらの指標の中から、行政が参照指標とするべきものを抜き出し、議論する。