アンダーカバーのスパイは転職を繰り返す。それも尋常じゃないレベルで転職を繰り返す。

 

僕が最初に働き出した会社には三十回以上も転職を繰り返していた猛者がいた。その後、僕はすぐにアメリカに行き、彼がその後にどこに行ったかは知らない。何度も採用に関わっていたので良く分かるが、転職がある程度の回数を超えると、その人物を採用対象とはしなくなる。半年で終わるような仕事であれば別だが、通常はある程度の期間は一緒に働くものと想定しており、それが成り立たない場合は雇わない。

 

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 アンダーカバーになると、それを越えたレベルで転職を繰り返している。それでも採用されるのは彼らがスパイだからである。アンダーカバーの種類にもよるが、対象会社の調査・把握するために送り込まれたスパイは何度も転職を繰り返す必要がある。そうでなければ役に立たない。

 

http://ameblo.jp/multifractal/entry-12206727339.html

 

また同時に、それが信じやすいバックグラウンドでもある。つまり、対象会社に送り込まれるというのは、その会社が後に何らかのペナルティを受けるような問題を抱えているという意味でもあり、転職を繰り返していても何となく説明が付くようになる。一方で、スパイとは何の関係もないが、信じられない頻度で転職を繰り返す人もいるだろう。そのため、転職の頻度が高いからと行って、相手がスパイであるとは限らない。ただ、普通でないことだけは間違いないが。

 

 寺島真実氏もその例に漏れず、極めて高い頻度で転職を繰り返していた。そして、その先の会社の多くが行政処分や閉鎖になっていた。結局、アンダーカバーのスパイの仕事はそういうことである。

 

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 彼女は金融のプロとしての技術も持っていたが、一度だけ、全く聞こえない声で電話に向かって喋っていることがあった。電話で喋っているのは分かったが、あまりにも異様な状況であった。不思議に思って、電話を切った後に何をしていたか聞いたところ、ゆっくりと、それは新聞記者をやっていた時の技術だと説明しだした。隣の記者に聞こえないように喋る技術だと。

 

 その時はそれで納得したが、後になって考えてみると、そんな言葉で話す必要は全くなかった。聞こえない声で喋っていると言うことは、相手にとってもほとんど聞こえない声を聞いていることになる。その状況は普通ではない。当時の僕は全く気付かなかったが、彼女はハンドラーに何らかの緊急な報告をしていたのだろう。