緒方盗聴事件が電波操作ではないかと疑っているのは、当時の電波工作にはフィードバックの仕組みがなかったからである。

 

 この事件が起きたのは1985年であるが、この時点において、電波で思考を送れた可能性は十分にある。電波操作は頭痛や感情操作の単線的な操作から思考送信のような複雑な工作へと進化していくが、思考を読み取る技術は超長波だけでなく、レーダーの技術も必要としており、その技術革新はもっと最近のことであり、2000年前後の話だと思われる。

 

 その技術が確立するまでは対象者の脳に声を電波で届けられたものの、相手の脳内を読み取れないため、それが成功しているかどうかは分からなかった。それを判断するためには物理的にフィードバックの情報を得る必要があり、その1つが盗聴であった。それは今も昔も変わらず、脳波を読み取る技術が使えない場合は他の方法を使ってフィードバックを得る必要がある。

 

 そのフィードバックを見ながら電波を調整すると、対象者に目的の声が届いているかどうかが分かる。このトライアンドエラーをずっと続けると、いつかの段階で脳波が完全にクラックできるはずであり、それが終了するまではインテンシブに盗聴する必要がある。 

 

 緒方盗聴事件にはこの可能性が十分にある。当時の電波工作の一環として盗聴が行われていたために、他の警察組織にも状況を秘匿する必要が生じ、不必要な場所で盗聴が行われた。だからこそ、目的のない盗聴が主目的に見える工作が実行された。

 

 この可能性を十分に裏付けるものとして、この事件に関わった警官の多くが変死しているという事実がある。それも彼らは電波工作に特徴的な症状で死んでいる。もしかすると、彼らはどこかの時点で盗聴が電波工作の一部であることを知ったのかも知れない。

 

 緒方さんは谷垣さんや岡田さんと同じように眼をやられているが、そのような症状的な問題から判断しなくても、本人であれば、電波工作を受けていたと思い当たる節があるかもしれない。