日本共産党の幹部だった緒方靖夫の電話が盗聴されたのは1985年から86年に掛けてであり、この事案は裁判で警察が実行したと認められている。

 

 まず、この件の基本的な理解として、警察は電話線に直接ジャックして盗聴を行い、ターゲットのかなり傍で工作を実行している。そして、その内容を録音し、24時間体制で監視するために5人の公安警察官を配置している。

 

 このように違法捜査を行う場合、本来的には録音を残しても仕方がない。と言うのも、それが裁判で証拠採用されないからである。現場の工作員が録音したのはもっと上からオーダーが来たからであり、当時はサクラと呼ばれていた裏工作機関がこの工作を担当していたことを意味している。

 

 つまり、工作計画自体は警視庁警備局警備企画課の裏理事官によって作られており、録音されたテープもその内容もそのラインに届けられる。ただし、裏理事官は計画立案と実行指揮をしているだけで、共産党幹部の盗聴を決定する権限はないだろう。それはこの盗聴を決裁したのがもっと高位の警察キャリアであることを示唆している。

 

 問題は、何故、このような盗聴を行ったかである。かなりの長期間に亘って24時間体制で5人も動員しているのは盗聴が目的ではなく、何らかの工作を行うことが目的である。しかし、彼らが工作を行っている形跡はなく、盗聴だけを実行しており、それが工作の目的になっている。

 

 つまり、この件で裁判を受けることになった警察官以外にもこの工作に動員されている人たちが間違いなく存在する。しかし、それが何だったかは明らかになっていない。

 

 この盗聴は電話線を直接ジャックしているため、他の公安組織に盗聴の事実が露見しないようになっている。盗聴したいのであれば、当時であっても警察はもっと簡単に実行でき、このような露見するかも知れないような形で工作を行う必要性はない。

 

 つまり、この盗聴は単に裏工作というだけでなく、かなり秘匿して行われていたことを意味している。相手が共産党の幹部だからと言って、何の理由もなく、ここまでの工作を行うはずがなく、そこには大きな意味があると思っている。

 

 自分は、これは電波操作のために行われたのではないかと考えている。