公安が自分を左翼過激派に落とそうとした工作はこれだけでなく、実際にはかなり多数ある。正確に言うと、ほとんどの工作は左翼過激派によって行われており、警察は裏で情報を提供しているだけであったが、このよど号犯の工作は問題を違う次元まで引き上げてしまう。

 

と言うのも、自分は公安と左翼過激派が共同で工作を行っていることの証人になってしまったからである。そのまま放置していても、共同工作の現実には気付かなかったと思うが、それに加えて何らかの理由で自分は無害化工作の対象になってしまった。

 

 この理由を全て明確にするのは難しいが、公安が左翼過激派の後継者を作るような工作の一端を見たからという単純なものではなく、自分が左翼過激派にシンパシーを持たないことを一部の警察幹部が許せなかったからだと思う。

 

 その左翼過激化していた警察幹部の集団が自分を殺そうとする。その工作の現場責任者として選ばれたのが芦刈勝治であり、彼が奈良県警に来た理由の1つは自分の無害化工作を行うことである。

 

馬鹿げていると思うかも知れないが、実際に彼らは自分を落とすために、彼らのクラウンジュエルであるよど号犯を利用しており、実のところ、奈良県警本部長はそれよりも格段に優れたポストではない。そして、その後にオウム逃亡犯まで投入していることを考えると、彼らは何としても自分を潰したかったんだと思う。

 

 また、ここに更なる問題が1つあり、それは電波工作である。自分に対する電波工作がいつ始まったかを確定するのは難しいが、そもそも、自分がその工作対象だったのではなく、公安とCIAの監視対象になっていた共産党員の労働組合指導者だった父親が対象だった。

 

 それが意味しているのは、芦刈勝治が奈良に来て、自分に対する工作を行う以前から電波工作自体は行われていたということである。自分を左翼過激派に落とそうとする工作が行われたのは、こういう背景が事前にあるからである。

 

 そうなると、その後に無害化工作が行われたのも、従来から電波工作が行われていたからになる。自分が電波工作だと断定できる出来事を見たのは1993年であるが、実はもっと前から電波工作を受けていたような気がする。もちろん、それがいつから始まったのかは確定できていないが、いずれにせよ、自分が無害化工作の対象者になるまでにはいろいろな過程があった。

 

 これらの工作を行っているのは常に公安であり、そこに左翼過激派と探偵が動員されていた。1990年代半ばにはこの構図が出来上がっており、その中で芦刈勝治が投入された。

 

彼が無害化工作を現場指揮していたという事実は、彼が公安の裏工作ラインの中で左翼過激化していたメンバーであったからの可能性が極めて高い。そうでなければ、これらの構図を理解した上での工作を行えず、また、そのラインの上司はこのような無害化工作を任せられるほど信用しないからである。