現在の世界で起きているスパイの大きな問題の根源には諜報機関の自己組織化という現象がある。

 

 これはいわゆる官僚化という現象の1つであり、基本的にどんな組織でも官僚化する。それは組織が効率化するという意味でもあるが、同時に、官僚化には意思決定を歪ませる側面があり、その1つが自己組織化である。

 

 諜報機関も含む官僚機構を例に採ると、その行政組織は政治によって作られて、本来的には国家及び主権者である国民に奉仕するために作られる。しかし、時間が経過するにつれ、その組織は自己目的を追求するようになる。それが自己組織化である。

 

自己組織化が進むと、その行政機関は国民に奉仕することを止め、自らの利益が最大化されるように行動する。更に、時間の経過と共にその組織が不要になっても、自らを維持しようとする活動も行い、行政や予算全体が歪むだけでなく、多くの不必要なものを抱えることになる。これらも自己組織化の一部である。

 

 スパイ組織にもほかの機関と同じようにこの現象が現れ、官僚化し、自己組織化し、自己目的を追求するようになる。

 

 諜報機関が特殊に問題になるのは技術力が高いからである。彼らは政治や国民をマニピュレートする能力と知見を持っている。特に、CIAのような国際的に強力な機関の場合、これまでに他国をマニピュレートしてきた知見が積み上がっており、その能力は自国に対しても、CIAの場合であればアメリカの政治や国民に対しても利用される。

 

 日本の公安のような組織の場合でも、国際的な能力は高くないものの、日本国内で過激派をアセット化する工作をずっと続けており、対人工作能力は極めて高い。この能力は重要人物のアセット化に利用できるだけでなく、その延長線上にある対社会工作にも利用できる。

 

 これらの能力が自らの国民や政府に対して向けられると諜報機関は国家にとって極めて危険な存在になる。それが実際に起こっている問題であり、それが自己組織化の結果である。

 

彼らは自らの組織を維持するために工作活動を行い、そこにはテロの黙認とテロリストの洗脳が含まれている。つまり、実際にテロを引き起こすことで、諜報機関の必要性が高められており、それは彼らの権限・予算・人員の拡大へと繋がっている。

 

 更にこの問題が拡大し、世界の諜報機関は繋がり共同工作を行うようになった。彼らが徒党を組むとどの政府もその活動を制御できない。それはCIAの暴走を中国政府が止められないからであり、中国の諜報機関の暴走をアメリカが止められないからである。

 

 このような形で世界の諜報機関が共同工作を行い自己組織化してしまうと、どのような工作でも行えるようになってしまう。それが今の世界の大きな問題の1つである。

 

 

ご一緒に、ご覧ください。
http://ameblo.jp/multifractal/entry-12206651773.html