ロンドンにいる間で最もひどかったのはドラッグ勧誘だった。当時はスピードが流行りだした頃で、おそらく、それを売りつけるディーラーが多くいたんだと思う。

 

とは言え、ロンドンに着いた最初の1-2ヶ月はそのようなことは一切なかった。ドラッグは遠い世界の話に思えたが、その後は毎日勧誘されるようになった。結局、数ヶ月の間にトータルで100回以上は誘われ、ほぼ毎日、どこかでドラッグを買わないかと聞かれた。

 

ひどい時には1時間で12回もディーラーにドラッグを買うように誘われた。その場所はカムデンだったが、それでも日曜日の昼間に、普通に大通りを歩いているだけで信じられないくらいにドラッグディーラーが近寄ってきた。

 

 一度もドラッグに手を出すことはなかったが、どうして、こんなに声を掛けられるのかは分からなかった。周りに聞いてもそんなことは起こっていないようであり、自分だけがそのドラッグ勧誘の対象になっていた。

 

それでも、その時は自分がドラッグをやりそうに見えるのかと思っており、それが工作の一種だということも、自分がその対象になっていることも知らなかった。

 

 また、実際に目の前でドラッグを吸っているのも何度か見掛け、また葉っぱでハイになっている仲間もいた。結局、いつも大勢の人がいる中にいたので、そこにはいろんな人がいた。

 

そのためにドラッグが容易に手に入るのは完全に認識していたが、違法行為をすると後で大変なことになるので、そんなものに手を出すことはなかった。当時の自分はそれでも法学部の大学院生であり、そのような感覚だけは十分に養われていた。

 

 ただ振り返ってみると、わざと周りでドラッグを吸っていた人もいたと思う。ロンドンに行く前後のことを考えても、当時の状況を考えても、自分に徹底的にドラッグを薦めていたのはディーラーではなくスパイのはずであり、彼らは自分をドラッグに落として、アセット化しようと考えていたはずである。

 

 自分がドラッグに落ちると、どこかの段階で現行犯として逮捕し、そのうちスパイがやってきてアセット化のディールを持ち掛けるはずである。特殊にドラッグの話を聞いたことはないが、そのような流れでアセットになった話は何度も聞いた。

 

結局、刑務所に行きたくなければ、CIAかMI6のスパイになるオファーを引き受けるだろう。実際に、その当時の自分の周りにも似たような形でアセットになった人間がおり、このような方法で対象者を落として諜報機関はアセット網を拡大させている。

 

 

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