どうして、公安は北朝鮮を守る必要があったのか、それも重要なテーマである。それは警察と北朝鮮の間にディールがあったからだが、それがどんなディールだったかは依然として分からない。分からないものの、それほど多くの可能性はない。

 

 少なくとも、そのディールにお金が絡んでいるのは間違いない。と言うのも、事件現場には北朝鮮人民軍のバッジだけでなく、韓国ウォンが置かれていたからである。それは北朝鮮がお金の問題をちらつかせながら、公安に事後処理を強要したという意味である。

 

 どのような種類のお金かは分からないが、この事件が起きた1995年以前の事情であることは間違いない。そうなると、警察がパチンコ利権に食い込むのが1985年と1989年であるため、お金とはこの利権を意味しているのかも知れない。実際に、時間的にはそれほど離れていない。

 

 つまり、警察の人事や捜査に介入できる決裁権者に北朝鮮と深く関わった人間がいたのだろう。しかし、その人間は当時の國松長官の指揮権に介入できるほどの力までは持っていなかった。

 

 それが意味しているのは、警察内部の人間であれば相当高位であるものの、当時の警察庁本庁の主要幹部でなかった可能性がある。もう1つの可能性はその人物が警察の大物OBだった可能性である。かなりの大物の場合でも北朝鮮が簡単にコンタクトを取れなかった可能性はある。

 

 ここには数人の可能性があるが、いずれにせよ、彼らは同じ派閥に属しており、公安内部の裏工作チームに深く関わっている人たちである。そもそも、長官銃撃事件の捜査を公安が行うことになったのは裏理事官出身のキャリア官僚がそう主張したからであり、彼もこのラインの中の1人である。

 

 更に、これ以降、公安内部で左翼過激派シンパが主導権を握るようになる。この公安裏工作ラインの当時の大物OBは1960年代の学生運動以前の世代であり、彼らは左翼思想の影響をほぼ受けていないが、1990年代のこのラインの現役幹部の一部は左翼思想の影響を受けていた。

 

 つまり、彼らは思想的にも北朝鮮により近い立場にあり、彼らがこれ以降、過激化していく。だから、公安がオウム逃亡犯を使って長官銃撃事件を隠蔽する際に、自分が逃亡幇助に関与したような工作まで行っている。それまでの公安の工作は自分を左翼過激派に落とすことであったが、それと同じ人たちが今度はオウム逃亡犯を自分に対する工作に利用した。

 

 この左翼過激派シンパが公安の影響力を行使して全ての隠蔽を図ったのか、それとも北朝鮮から一部利権を貰った大物警察OBが隠蔽を指示したのかは分からない。いずれにせよ、北朝鮮を守ったのはこの公安のラインであり、そこにはお金の問題があり、思想の問題があり、だからこそ彼らは積極的に隠蔽を行った。

 

 

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