自白剤を入れられた状態でのスパイと警察の尋問は数時間続いた。当初は何が起こっているか全く分からなかったが、脳の機能が徐々に回復し、自分が薬漬けになっていることに気付いた。

 

薬漬けには慣れていたが、このドラッグがそれまでのものと違ったために、気付くまでにかなりの時間が掛かった。スパイや警察がそれまでに使っていたのはダウン系のドラッグがほとんどだったが、この時は幻覚系のものが投与された。もちろん、幻覚系の薬を入れられたために、脳が妄想に支配される状態になり、気付くのが遅くなったとも言える。

 

 ドラッグが入っていることに気付いた頃には尋問もほぼ終わっており、自分は部屋にいて放心状態であったが、このままではまずいと考え出した。そこで、フラフラの状態のままホテルの売店まで水分を買いに行き、数リットルのポカリスウェットを買った。

 

部屋に戻ると狂ったように水分を摂り続けた。体内に水分を大量に入れれば、ドラッグ濃度が下げられ、また、その化学物質を尿としてすぐに排出できると思った。そのためには水よりもポカリスウェットの方が体に対する負担が低いと感じた。

 

ひたすらポカリを飲み続け、しばらくすると少し落ち着いてきたような気がした。それでも全く寝られなかった。薬が残っているというよりは、また、どこかで薬が入れられたような気がした。ただし、何が起こっているかは本質的には全く分からず、頭がまたおかしくなり出した。

 

頭がフラフラした状態のまま寝ることができず、ひと晩中起き続けることになったが、翌日もまだ薬は残ったままであった。眠たいという感覚は一切なく、食欲も一切なく、何もできず、ただ部屋の中で座ったまま過ごした。

 

念のためであるが、これは電波操作ではできない。電波で起こし続けることはできるが、基本的には眠くなり、何らかの要因によって起こされ続けるという状態になる。眠くならないということはなく、疲れれば普通に眠くなる。また、電波操作ではお腹が空かないということもない。

 

眠らないのと食欲がなくなるのは幻覚系のドラッグの症状であり、これはこの後にも何度も経験する。電波操作では、まだ、このドラッグの症状を再現できないようである。と言うのも、ドラッグを投与されている状態の脳はその化学物質による影響を受けているが、それは外的に生み出されたケミカルであって、脳内や体内の化学変化で発生してない。そのため、今までのところ、電波操作を通して化学変化で脳内に存在する幻覚系の化学物質を過剰分泌させることは無理なようである。

 

とにかく、薬漬けに気づけるほど脳の機能が正常に戻っても、実際に薬の影響が抜けるまでには時間が掛かり、何もできない状態に陥っていた。その日はホテルの人が心配して、ご飯を持ってきてくれたが、依然として何も食べられる状況になかった。ただ、部屋の中で座ったまま、フラフラしていた。

 

 

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