自分におかしな現象が起こっている中で、ある日、部屋にいると突然声が聞こえた。ただし、その時にはそんな驚きはなかった。薬を入れられて朦朧としていたような気もするが、それ以上に、脳に直接的に声が送り届けられているとは思わず、何らかの物理的な方法で声が聞こえていると思っていた。

 

 自分が驚かなかったのには別の理由があり、それは自分が相手の声を識別できたからであった。そのほとんどは知っている声であり、彼らは警察に協力した結果としてそこで喋っていたのではなく、CIAに協力した結果としてそこで喋っていた。と言うのも、そこには日本にいない英語を喋る外人が複数含まれていたからである。

 

 そもそも、その前年までにCIAが自分を追い込むために多くの人に協力させていた。その中に脅しがあったのは知っているが、それ以外にも彼らはいろんな手法を採用していたはずである。その何らかの方法の結果、彼らは工作に協力することになり、そこで自分に対して喋っていると思った。

 

 実際に、自分は彼らと会話していた。彼らは彼らなりの言い分を持ってCIAに協力しているようであったが、それが間違っていることと、CIAや公安がそもそも間違っていることを彼らと議論していた。そして、彼らのほとんどは反論できなかった。それは自分が正しく、彼らは何らかの失敗や間違いがあった結果として、そこで喋らされていたからであった。

 

 そこで行われていたのは普通の会話であった。自分が喋り、彼らが喋り、お互いに意思疎通がなされていた。その時の自分は声を出して喋っていたので、その音声が盗聴器で拾われ、相手の耳に伝わり、それを受けて彼らは反応しているとばかり思っていた。

 

 何人ものスパイや協力者とひと通り喋った後で全てが落ち着くと、どうして声が聞こえるのかを疑問に思うようになった。まずは、どこかにスピーカーがあって、そこから声が聞こえていると考えた。それが実際にその2ヶ月間考えていた仮説であり、それまではまどろみの中でしか起こっていなかったが、その方法を自分が完全に起きている間に実行されたと思った。そして、少なくとも何らかの方法で声だけが聞かせられる技術が存在することだけは判明した。

 

 しかし、それだけで疑問は終わらなかった。どう考えても耳で聞いている感覚は一切なかった。彼らを論破することに集中していたため、何が起こっているかを全く考えていなかったが、落ち着いてみると、どうしてそのような現象が起こっているのかより疑問に感じてきた。これはスピーカーで聞こえるような単純な現象ではなく、もっと奇妙なことが起こっているのではないかと思うようになった。

 

 

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