与那国にはヨーロッパのスパイもいた。たぶん、イギリスのスパイだと思うが、フランスかも知れない。どちらの国籍かも分からなかったが、英語とフランス語の二カ国語を話せたのだけは間違いない。ちなみに、CIAのエージェントではないと思う。

 

彼がそこにいたのは偶然のはずはなく、彼は自分が泊まる予定だった宿に先に泊まっていた。大抵の旅行の場合、自分は先に泊まる場所を予約しておくので、自分の行動は簡単にトレースでき、それほど監視するのは難しくない。そのせいもあって、今までもいろんなところでスパイに会っていたが、この与那国に行ったときも変わらなかった。

 

ただし、自分は彼がスパイであることには気付いていなかった。今までの人生の中で多くのスパイを見てきたが、相手がスパイだと思ったことはほとんどなく、素性の怪しい人がいる程度にしか思っていなかった。もちろん、素性の怪しくないスパイもいたが、その場合においても不思議さは感じていた。

 

この与那国にいたスパイは、逆に、自分がスパイであると思っていたようである。会話を思い返すと、彼はフィールドエージェントとして働いているという内容の話をしていたが、自分はその仕事がどのようなもので、どのように行われるのか知らなかったために、彼の言っていることの意味が全く分からなかった。

 

その話の内容が分かると、自分がスパイであると彼は分かり、逆に自分が全く分からないと彼がスパイであるとは露見しないため、そのような会話がなされた。そして、彼は明らかにそのような話をしていたため、彼がスパイだという確信はあるが、その時点では、自分はスパイがどのようなものかすら分かっていなかった。

 

そして、ほぼ間違いなく、彼は自分と直接コンタクトするためにそこにいたが、彼はその意図を知らなかった気がする。彼に与えられたミッションは複数あり、その中に自分とのコンタクトがあったはずだが、彼のハンドラーはそのことを伝えていなかった可能性が高い。

 

その結果として、彼は自分に対して微妙なコミュニケーションで探りを入れたと思う。そして、どこかの時点で自分がスパイではなく、工作対象者として接するように言われたはずである。

 

日本の公安は彼についての質問をしており、その質問内容を振り返ってみると、その人は自分がそのスパイとコンタクトするためにここに来たのかと疑っていたようである。逆に、このスパイもこの公安職員の素性について質問をしており、彼らはお互いに自分の背後に何があるかを探していたようである。

 

ただし、彼らはそれらが全て偽情報であり、もっと上級のオフィサーが大きな嘘をついていることには気付いていなかっただろう。結局、背後にもっと大きな問題があり、そのために自分は工作対象者となり、彼らはアリバイ作りの工作に駆り出されていた。

 

 

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