奄美間は船で移動することにした。丁度、年末年始の頃で多くの人が船で移動しており、その中にはいろんな人がいた。ふるさとに帰る島民だけでなく、警官も沢山おり、公安調査庁や内調の人たちもいた。

 

それぞれの島の警官は十分に人数がいるものの、工作活動を行えるほどの人員はおらず、少なくとも本部から公安職員を送る必要があった。また、自分の工作に絡んでその他の公務員も状況をモニターするために送り込まれており、彼らも同じ船で移動していた。島や船で見かけた警官と官僚は基本的に区別がついたが、公務員であることは分かるものの、区別が付かない人物も多くいた。

 

 特に、具体的にどのような所属かは分からないことの方が多かった。例えば国家公務員か県庁の人間かを見分けるのも簡単ではなく、そのような場合は見かけだけで判断できず、彼らの発言の一部をフォローする必要があった。そして、少しの情報だけで相手が分かる場合もあれば、どれだけ時間を掛けても分からないこともあった。

 

それ以外にCIAのオフィサーもいた。おそらく、日本に常勤している職員だと思うが、隠れることなく、そのままそこにいた。自分と共に多くの工作に関わっている人たちが移動しており、自分にも彼らにも緊張がずっと続いていた。それだけでなく、新しい島に行く度にどのような環境になるか分からず、それもまた、常に緊張感を生み出す要因になっていた。

 

ほとんどの島で、島民は警察への協力を嫌がっていた。島によって程度の差はあったが、警察の協力をしても、警察の思い通りにならないことの方が多かった。結局、工作活動の協力をしたくない人がほとんどであり、島の環境の中では最低限の協力しか得られなくても、警察が横暴に振る舞える状況ではなかった。

 

それと同時に、島に駐在している警官はそんなことすらしたくなかったのかも知れない。それぞれの島の警察組織も孤立しており、県警本部から簡単に行ける距離にはなかった。また、島出身者が多いわけでもないので、島民との間の無駄な対立を避ける必要もあった。

 

いずれにせよ、そこにはいろいろな関係があり、工作活動が単純に行える環境ではなかった。警察への敵意をはっきりと示す人もいれば、笑いながら警察の工作に協力する人たちもいた。

 

その状況は島の大きさにも依存しており、大きな島ではいろんな人がいるため、警察や探偵は工作に利用できる現地の人を比較的に簡単に見付けられるようであった。それは人間関係による場合もあれば、お金を払っていた場合もあるだろう。

 

それでも、基本的に警察のそのような要求に対して不信感を抱いており、ほとんどの島が依然として、強いコミュニティを持っており、独自の価値観を形成していた。

 

 

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