公安の対象となる組織は治安に大きな影響を与える組織であり、それはテロリストであるが、基本的には日本では過激派であり、その中でも左翼過激派が大きな柱となる。この対象が拡大した結果、公安の存在はより大きな社会問題を生み出している。

 

公安の工作を辿っていくと、彼らの工作対象が拡大するのは公安が左翼過激化した1990年代からである。公安の幹部が左翼過激化したため、公安の活動自体が過激化するが、それと同時に公安の工作に左翼的な政治性が生み出される。

 

彼らは諜報機関であり、対人工作能力だけでなく、対社会の工作能力も高い。この工作能力が公安組織の自己目的のために利用され、左翼過激的な方向の政治工作にも利用された。そこには多くの工作があり、ここまでに書いてきたような方法論が全て利用されており、公安はアセット化に近い形で政治家のコントロールにも関わっている。それだけでなく、もっと幅広い社会工作を行い、世論形成にも影響を与えている。

 

ただし、この公安の左翼過激化は過去のものになりつつある。公安OBは依然として公安組織に影響を及ぼせるため、全ての問題が排除されたわけではないが、警察幹部の中から左翼過激的傾向を持った人はかなり少なくなっていると思う。その意味では、警察OBの影響力を排除できれば、左翼過激的問題の大部分は落ち着くかも知れない。

 

このような公安の左翼過激化は公安の必要性が低下したのとほぼ同時期に始まる現象でもある。ベルリンの壁が崩壊し、多くの共産主義国家が消える中で左翼過激派の勢力も低下し、その支持は更に減少した。そうなると、その対策を担っている公安自体の必要性が低下する。

 

この状況を乗り越えるためには、公安が必要な組織だと思われる必要があり、公安としては左翼過激派にもっと活発に活動して欲しいとなる。この全体的な方向性と左翼過激的な幹部の行動が重なり、彼らの行動が政治化する。

 

これが90年代後半からずっと続いていたが、今はこの政治性がかなり剥落しつつある。とは言え、公安は諜報機関であるため、依然として社会に影響を与えるような工作活動は続けている。そして、その工作から政治性がなくなると、今度は組織の権力を維持するための剥き出しの権力志向へと変質していく。

 

 つまり、公安の活動には依然として問題が残されており、彼らの政治性だけでなく、自己組織維持のための活動を止めさせる必要がある。そのための仕組みを導入しない限り、この組織が安定化することはない。

 

 また、公安のアセットの大部分は依然として左翼過激派であり、彼らは公安の工作に関わっている。彼らは依然として左翼的で過激的であり、その活動の一部を公安は野放しにしている。諜報機関が自らのスパイを保護するのは一般的だが、その結実は日本で左翼過激派に自由に活動させることである。彼らの一部は公安の電波工作を引き受けており、かつ、自己目的を達成させるためにもその機械を利用している。

 

 それがスパイ組織の宿命であり、公安が左翼過激派と共生関係に至った結果である。

 

 

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