公安は諜報機関である。

 

今までずっと公安に対して理解できない部分があり、彼らの考え方や行動があまりにも警官とかけ離れているために、どうして、そのような工作を行うのか分からないときがあった。

 

ここまでにもいろんなことを書いておきながらも、その行動様式の疑問が長らく解けないでいたが、それは公安を警察だと思っていたからだということに気付いた。彼らは実質的に純粋なスパイ組織であり、実際にそのように行動している。自分も含めて多くの人が公安の活動を正確に掴めなかった理由はこの誤解に起因していると思う。

 

 スパイの基本的な活動は情報を収集することと工作を行うことである。それは全く同じ経路を使っており、情報を取得する経路をそのまま反対に使って偽情報を流すだけでも工作活動は行える。この2つの活動は不可分一体であり、どちらかだけというのは難しい。

 

 例えば、公安は左翼過激派の活動情報を知るために、その構成員をアセットして獲得する。そうすることで、対象の内部情報が得られ、過激派の活動を制御できる。そして、同時に、その経路を逆に利用して工作情報を流せる。それは過激派の活動を混乱させるためでもあるが、過激派に違うターゲットを襲わせるためでもある。

 

 これに対して、一般的な警察組織が犯罪組織の構成員をアセットして獲得するのは稀な事象である。内部情報を得るために情報提供者を獲得したとしても、対象の組織の活動を混乱させたり制限させたりするためには利用しない。それよりも内部情報を蓄積し、犯罪の証拠を積み上げ、対象組織の壊滅と主要メンバーの逮捕を目指す。

 

 公安にはこのような発想はなく、対象組織の中に公安のスパイを作り、その組織の行動を制御するところに目標がある。もちろん、その組織がイレギュラーに危険な行為を行った場合は摘発の対象となるが、それ以外の場合は制御が目標になる。

 

これはスパイの行動様式であり、CIAを含め、どんな組織もこのように活動している。公安が同じように行動するのは、彼らが諜報機関だからである。そもそも、諜報機関の目標は逮捕ではなく、対象の制御であって、それがテロリストであっても変わらない。また、テロリストを逮捕するチャンスがあったとしても、彼らを犯罪者として裁くよりも、アセットとして活用することを優先するだろう。

 

 この諜報機関とアセットの関係は更に延長する。諜報機関は自らのアセットが起こすテロ行為を黙認する場合がある。そうすることで、そのアセットが組織内で信任を得られ、更に出世するため、より有力な情報が得られるようになるからである。それは日本の公安においても変わらず、左翼過激派や北朝鮮も含めた全てのテロ行為を止めることは目標でなく、一部のテロ行為は自由に行わせている。

 

 それは電波工作にも当てはまる。一部の左翼過激派は電波工作の技術を持っており、それは公安かCIAが供与した可能性が高いが、いずれにせよ、彼らはその方法を使って多くの人を殺し、あるいは、多くの人生を歪めている。日本におけるテロ自体が減ったのは間違いないが、一方で、露見しないように破壊活動が行われていたのも事実である。そして、公安はその事実を十分に知っていたが、黙認していた。

 

 これが黙認に留まらず、工作の指示や暗示に発展する。工作活動は公安内部でも行えるが、過激派の構成員であるアセットに任せる場合もある。何らかの犯罪やテロに近いものを起こすことによって、公安の必要性を高めさせる。そして、政治も公安に対してより信頼を置くようになり、彼らは組織防衛のためにより危険な工作を実行していく。その中には、警察幹部が左翼過激化した結果としての政治的工作も含まれている。

 

 このような公安の行動は諜報機関そのものであり、警察の行動ではない。彼らの行動原理がスパイ機関と全く同じであるという認識をちゃんと持つ必要があり、その上で、彼らの行動をどう制御するかを考える必要がある。

 

 

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