通信データはデジタルで転送される時代になったが、そのデータの暗号化が進めば簡単には情報を読めなくなる。ボトルネックが幾つかあるので、そこを抑えればどんなデータが流れているかは把握できるが、それだけでは情報が把握できない時代になりつつある。

 

問題はデータが簡単に読み取れない時にどうするかである。あるいは、通信で流れていないデータはどう把握するかという問題がある。それを乗り越えるためにはハッキングが必要であり、もちろん、諜報機関もその工作手段を活用している。

 

これは対象組織の建物に侵入することとあまり変わらない。例えば、紙情報でデータが残されており、それをどうしても取得するためには対象の建物に侵入するしかない。それがデジタル化されれば、直接的に侵入することもあるかもしれないが、ハッキングだけで済むかも知れない。結局、時代が変われば、やり方も変わって行く必要があるが、必要な情報を窃盗で取得することは昔からあり、ハッキングはその現代的な手段の1つに過ぎない。

 

諜報機関が本気になれば、どんな場所でもハッキングできる。もちろん、他国の政府中枢部はその諜報組織が防備を固めているため、そこへの侵入は簡単ではないかも知れないが、少なくとも、自国内であれば、どのようなところにもハッキングできるだろう。法律的な制限の問題があり、その行為が正当化されるかどうかは違う大きな問題であるが、諜報機関の能力としては特定の対象者に対するハッキングはそれほど困難ではないと思う。

 

基本的には、多くの国では法律の制約があるため、諜報機関によるハッキング活動が違法行為となる場合が多いが、その限度が守られるという保障はない。とは言え、最近は電子犯罪に対する防御の技術も向上しており、また、最近は一部の企業が諜報機関のスパイ活動に非協力的になっているので、アメリカ国内という意味では諜報機関によるハッキングは以前より難しくなっている可能性がある。

 

諜報機関は自らでもハッキングの能力を持っているが、完全に違法行為に該当するならサブコントラクトを利用するだろう。そうすれば、彼らは違法行為を行わなくて済むが、この方法論には大きな問題がある。

 

と言うのも、コントラクターがハッキングを行い、その活動が露見したとしても、彼らは諜報機関のアセットであるため、免責される可能性がある。この仕組みを利用すると、どんな活動でも合法になる可能性がある。これは法律上の瑕疵であり、この穴は埋める必要がある。

 

この瑕疵はオールドな方法にも見られる。例えば、対象者から情報を取得する際に完全に違法な手段を採用したとしても、それがコントラクターの行為であれば、露見したとしても諜報機関は批判を受けることはない。それだけでなく、そのコントラクターを免責にすれば、そもそも問題があったことすら隠せる。この論理的帰結はハッキング能力以上に危険であり、諜報活動のコントラクトと免責の関係をどうするかはしっかりと議論される必要がある。

 

 

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