諜報機関によるアセットを媒介しない情報取得はSIGINTと呼ばれている手法でもある。昔は暗号通信があり、その解読によって他国の諜報活動や秘密情報を取得できた。特に、戦争中はその手法は重要情報をもたらした。と言うのも、それが解読できれば、作戦本部から送られる命令が把握でき、敵の位置と次の行動の把握へと繋がった。

 

情報の直接取得は更に進化する。依然として、全てはSIGINTと呼ばれる諜報活動の延長線上にあるが、はっきり言って名前はどうでも良い。名前に拘ると、そこにある本来的な姿が分からなくなる。重要なのはアセットを介さず直接的に情報を取得する方法が存在することであり、その方向性の中で手段が進化する。

 

それは通信傍受から始まっているが、その過程でいろいろな装置が使われる。一番単純なものは盗聴器であり、それだけでも十分に対象者の情報を取得できる可能性がある。そこから進化し、電話の傍受が生まれるが、元々、電話は交換局を通したため、傍受自体はもっと容易であった。今の仕組みはそれが設備化しているが、結局は電話線を通すため、傍受自体は今でもそれほど難しくない。

 

とは言え、今の仕組みではそこで伝送されるデータはアナログではなく、全てデジタルである。音声データにしてもアナログではなく、デジタル情報として送られる。そこに暗号化の技術が加わると、そのままではデータが何の意味も持たないため、暗号解読の技術が必要になる。

 

ただし、オールドの手段を使い、対象者の電話に盗聴器を仕込めば、対象者の会話はいつでも聞ける。その場合、機械的に盗聴機能を付ける場合もあれば、盗聴ソフトを仕込むだけでも対象者の会話は聞ける。

 

その関係はメールであってもチャットであっても変わらず、基本的には暗号化の問題があるが、それでも対象者が明確な場合はソフト的に仕込むだけで対象者の情報は直接取得できる。その方法論は簡単ではないものの不可能ではない。

 

これらはSIGINTの延長線上の諜報活動ではあるが、その活動はSIGINTと呼ばれるもの以上に拡がりを持っている。そのため、そのような名前で認識するよりもアセット化工作を利用することなく、直接的に対象から情報取得する方法と考えた方が良い。

 

もちろん、今でも政府の組織間の連絡に暗号通信が利用されており、それを解読するのも直接情報を取得する手段ではあるが、それらの技術がそのためだけに利用されるはずはない。また、今ではもっと多くの情報が情報端末間でやり取りされており、その通信間の情報を抜き取るのは全く同様の技術を土台にしている。