スパイは自己組織化する。それは諜報機関が官僚化するからである。官僚化は組織が合理化することでもあるが、同時にその組織の目的が偏狭になり、セクショナリズムや自己組織維持のための行動が増える。このような組織行動はどのような行政組織にも、あるいは一般的な組織にも現われる現象で、諜報機関にだけに特有に起こるのではない。

 

ただし、諜報機関が自己組織化すると危険である。ここまで書いてきたように、スパイには人を落とす能力がある。それは対人工作活動であり、その方法論として犯罪に嵌めたり、事故に遭わせたりもする。また、それ以上に、対象者を自殺に追い込んだり、暗殺したりもできる。スパイはこのような知見を蓄積しており、彼らの自己組織化はこれらの方法論を自己組織維持のために使用することを意味しており、どのような行政機関の自己組織化よりも危険である。

 

 また、自己組織化は諜報機関全体としてだけ起こるのではなく、それぞれの部門ごとでも起こる。つまり、それぞれの諜報セクションが勝手に自己目的のために工作活動を行うようになる。そして、それは更に小さなチームでも起こる。その上、彼らはプロであるために、そのような工作の痕跡を隠すのにも長けている。結果として、危険で不必要で制御されない多くの工作活動が生み出される。

 

もちろん、警察や軍隊のように諜報機関と同じくらい自己組織化が危険な組織もある。結局、それらを制御するためにはシビリアンコントロールが必要になる。軍隊の攻撃能力が自国に向けられるとあまりにも危険だからこそ、多くの国で彼らはシビリアンコントロールに服している。

 

スパイも警察も同じようにシビリアンコントロールが必要である。それは彼らの権限と技術が危険だからであり、それらが民主主義を乗り越える力を持つ恐れがあるからである。

 

これらの比較の中でもスパイの自己組織化はより危険である。軍隊はクーデターを起こせるが、スパイは情報操作を行い、秘匿された形で自らの利益に適うように政治を操作できる。彼らは対社会工作の中でその知見を蓄えており、その技術は民主主義によって統制される必要がある。

 

その上に、今ではもっと危険な電波工作の技術がある。この工作は超長波を使って相手を制御する技術を核としており、これだけで暗殺やマニピュレーションができる。対人工作も対社会工作もこの技術によって、より容易により深く対象を操作できる。なおかつ、この技術は目に見えないため、その利用が極めて露見し難い。

 

これらの技術も、結局のところ、諜報機関の自己組織化のために利用されている。スパイの権力を維持するために電波操作で暗殺をしたり、社会的混乱を導いたりしているにも関わらず、この技術を利用したことの完全な証明は依然として難しい。今の状態を維持すると、社会だけでなく、民主主義制度が大きく毀損する可能性があり、その結果として、今以上に多くの人の自由が奪われる可能性がある。

 

この技術も含めて、スパイの全ての技術がシビリアンコントロールによって管理される必要があり、また諜報機関の行動は今以上に民主主義の枠組みの中に組み込まれる必要がある。諜報機関は多くの国家にとって大きな害になる行動を取っており、このまま放置すると、その行動は更に悪化する可能性がある。諜報機関が自己組織化するのは必然であり、それが起こらない前提でシステムを構成するのではなく、それが起こる前提でどのように制御するかを考える必要がある。

 

 

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http://ameblo.jp/multifractal/entry-12170645296.html