スパイが設定した期限が過ぎたため、捜査も拷問も全て終わると思っていたが、実際には拷問はもっと激しくなった。結局、彼らは常に嘘をつくだけであり、拷問が終わると期待させて、その期待を裏切ることで心理的な動揺を誘おうとしていた。このやり方はこの後も何度も同じように続けられる。

 

現実的には上の部屋から流れてくるノイズは更にうるさくなり、睡眠は更に減った。それ以外にもいろいろな工作を受けていたせいもあって、一日中妄想の中で生きるようになった。

 

 工作にはいろんなものがあり、原因不明の理由で倒れそうになったこともあった。タクシー待ちをしていると急に頭の調子がおかしくなり、その場に倒れそうになった。同じような感覚は昔にも味わったことがあったが、その日は極端に強い痛みを感じていた。

 

 ほぼ息もできず、立つこともできず、眠いという感覚で表現することも可能であるが、それ以上に締め付けるような頭痛が頭を襲い、その場でしゃがみ込む以外に方法がなかった。それは数分続き、その間、気を失いそうになりながら何とか息を整えようとしていた。

 

 今ではこれが電波操作の結果であることを知っている。この痛みは尋常ではなく、何もできなくなる。ただし、アルコールが入っているために、アルコールが原因でこのような症状になると昔は思っていた。それまでにも飲んでいる際にこの現象に陥ることが数回あり、酒にひどく酔って、睡魔に襲われていると思っていた。

 

 しかし、この香港の時はアルコールのせいではなく、スパイに薬を入れられたと思った。それまでも薬物や毒物を何度も入れられており、この耐えられない痛みもその結果だと思っていた。

 

実際には、これは電波操作であり、アルコールを摂っていなくても起こる。その場合も強い痛みがあり倒れそうになるが、電波操作だと明らかになるため、電波操作が露見するまではその痛みは起こらなかった。それでも、アルコールを摂った際にその痛みは極端にひどくなり、あまりにも痛みが強くなるため、身動きすらできなくなる。

 

 そして、その翌日辺りから早く香港を離れようと思った。このままここにいれば、どんなやり方を使ってでも、すぐに殺されると思った。とは言え、まだシンガポールでは職探しができる状態ではなかった。そこで、まず香港を離れることを優先し、そこで落ち着いてからシンガポールへと移ろうと考えた。その方向性で行くのであれば、東南アジアの別の国に行くのが最適だと思った。

 

 

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