そのドーナツ屋ではかなり前からその探偵が自分を監視していたが、そこにいることに気付かなかったのは、その人が警官に見えたからである。それでも、ずっと疑問は抱いていて、自分を尾行している警官に年配の人がいなかったのに対して、その人は現場で働くには年を取り過ぎていた。また、公安の幹部よりも高齢に見え、警官には見えるもののどのような人かを特定できていなかった。

 

そのうち、ふと漏らした言葉から、その人が探偵であることとどこの興信所の人かも分かった。実際のところ、一言でも声を発すると、そこからその人の素性が分かってしまうことがある。警官はその点は訓練されていて、どんなに追い込んでも一切声を出さない。情報を得るために近づいてくる人たちは決められた発語をしており、また制服の警官は警官であることが明らかなため、逆にこちら側が公務執行妨害にならないように振る舞う必要があるが、尾行の人たちは最後の最後の瞬間まで尾行していることを認めないだけでなく、一切の言葉を発さない。

 

それに対して、探偵はそういうことはほぼない。おそらく、探偵であることが好きで、探偵だと露見してしまうこと自体もそれほど気にしていないように見える。警官は役割の中で必要な行動を取るように訓練されているが、探偵はそこを自由に越えるのだろう。いずれにせよ、尾行していても近づこうとしていても、十分に注意すれば探偵は判別でき、そして実際にこれ以降、識別できるようになった。

 

これらの興信所は元警官によって運営されているところが沢山ある。今は分からないが、昔は個人情報のやりとりの規制が緩かったために、警察に簡単にアクセスできる関係を持っていれば、警察のデータベースから情報が得られた。元警官であれば、その点が有利に働き、顧客に求められた情報を簡単に手に入れられた。

 

今でもそういう関係があるのかもしれないし、また警察の実践的な技術が探偵に役立つからかもしれないが、探偵の中には元警官が沢山いる。彼らを見ていると警官にしか見えないが、それは元々警官だったからである。

 

この警察と興信所の関係は一方通行ではなく、警察も探偵を利用している。特に、警察OBに対して警察の仕事を一部外注している。それは捜査費や捜査協力費という形で支払われるのかもしれないが、いずれにせよ、警察は探偵を利用している。その場合において、信頼のおける元警官であれば彼らの外注が露見しないため、警察には認められていない手法を利用する際に彼らを利用する。

 

つまり、警察はそれ自体でも違法行為を行うが、それを避ける必要がある時は興信所に頼んで、代わりに違法行為をやってもらう。そうすれば、警察は違法行為をしていないことになり、また興信所が違法行為をしたとしても、警察が黙認すれば問題は起こらない。これは実質的には警察の違法行為であるが、警察に繋がる証拠が残らず、また警察が犯罪化しないため、理論上は、警察はどんな犯罪行為でも外注できる。

 

そのような枠組みの中で、自分に対する監視が興信所に一部任されていた。つまり、公的には警官が尾行しているものの、それ以外に探偵が自分の監視を行っていた。もちろん、それが監視だけのはずはなく、いろいろな違法行為が彼らによって引き起こされていた。その違法行為の中にはガスライティングや嫌がらせも含まれているが、それ以上にもっとあからさまに何度も脅迫された。そして、その金の流れと指揮命令を辿っていくと、警察が脅迫を引き起こしていた。

 

ただ、それが脅迫で済んだのは、自分があまりにも目立ち過ぎていたためである。それが衆人環視の中でできる当時の警察の限度であって、実際にはこの枠組みの中で殺人の依頼も行われる。それが形式上依頼ではないと言うのであれば、教唆と呼び変えても良いが、いずれにせよ、警察が殺人の引き金を引くこともある。

 

 

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