工事という意味では、上の部屋や家の前の工事の前にも、実は違う工事があった。それは2010年の話である。

 

フロントの人に言われたのか、工事の人が直接来たのかは思い出せないが、少なくとも工事の人が自分の部屋に来て、エレベーターの工事をしたいと言ってきた。エレベーターをチェックすると、エレベーターの経路のコンクリートにひびが入っていることが分かり、その理由を調べていくと、自分の部屋から水が漏れている可能性があると言うことだった。

 

 実際に、そのコンクリートのひびは見なかったが、そのひびの写真を見せられた。そして、何度か検査するために自分の部屋にも入り、その後に、もっと確かめるためには工事が必要だと言われた。

 

 結論としては工事を断ったが、どういう経緯があったかは正確には思い出せない。ただし、ひびの写真が自分の部屋の水漏れと繋がっているという主張はどうも信じられなかった。それがあり得ないと思ったわけではないが、ひびがどうしてできたかがそんな単純に分かるとは思えなかった。

 

そして、より分からなかったのは、工事に何週間も掛かると言われたことだった。また、その工事の間は自分は部屋にいれないと言われ、意味が分からなかったので、工事が絶対必要だと言わない限りは受け入れないと言ったような気がする。結果として、実際に工事は行われなかった。

 

振り返ってみると、この時点で中国の諜報機関は既にもっと大掛かりな工作を考えていた。と言うのも、この時に部屋に工事をしたいと言ってきた人は、上の部屋から液体が垂れてきた時に工事を担当していた人と同一人物だからである。つまり、この工事はひび割れを直すことに目的があったのではなく、部屋に監視カメラや盗聴器を入れるところに目的があった。

 

彼が工作員か協力者かは分からないが、少なくとも、中国の諜報機関の関係者であることは間違いない。香港は中国に属しているので、諜報機関の協力者がそこにいても何の不思議もないが、いずれにせよ、これはかなり前の段階から自分がターゲットになっていた証左である。

 

これが2010年のいつ頃の話か思い出せないが、おそらく夏から秋に掛けての頃だと思う。つまり、自分が拷問を受け出す1年以上前の話になる。その時点では、既に自分は監視対象者になっていた。

 

ただし、これが中国の諜報機関が独自に自分を対象者とした結果なのか、各国の諜報機関の共同オペレーションの結果は、これだけの事実では区別が付かない。

 

 

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