1月半ばになり、恐怖をかなり克服できるようになった辺りから、彼らの作戦方針が変わったのか、人と会う機会が増えた。面接に呼ばれることもあったが、知り合いが香港に来ることもあった。ずっと拷問下にあったため、自分から誰かに会おうという気には一切ならなかったが、工作の方針に何らかの変化があって、人に会う必要があるのだろうと思っていた。

 

依然として、この先どうなるのかは全く分からず、何か大きな転機が訪れるという雰囲気もなく、分からないままに日々起きる出来事に対応していた。ただ、人と会って何かを話すと、何か参考になる情報も得られるかもしれないと思った。

 

そのような予定がいろいろ建ってくると、今度は電話が盗聴されるようになった。最初はバスルームで電話の応対をしている時にだけ盗聴された。部屋の方に盗聴器があり、監視カメラがあるのも分かっていたが、どうやらバスルームには盗聴器を隠すスペースがなかったようで、そこで電話を使うと盗聴された。

 

そこで盗聴される時は音が変わった。電話をしている途中からバスルームに行くと、突然、盗聴モードに変わるため、急に別の雑音が電話に入るようになる。そのため、盗聴されていることはすぐに分かった。

 

雑音が入るというのは、その盗聴で使っている電話の音声も入ってくるからであるが、その必要性は本質的にはないような気がする。そんなことをしなくても盗聴はできるため、電話も盗聴しているというのを示すためだけにやっていたと思う。あるいは、最初はアクシデント的に急に盗聴方法切り替えたために、そのような音声が入ったが、それはそれで効果的であるために、ある時点からわざと雑音が聞こえるようにして、圧迫感を与えていたのかもしれない。

 

 実際に部屋にも盗聴器があり、監視カメラがあり、PCもハッキングされており、それで電話が盗聴されないと考える方がおかしい。電話はもっと前から盗聴されており、その方法論は今のところ分からない。

 

今でもその電話を使っているが、この間は雑音ではなく、リバーブを入れられた。リバーブが起こるのは盗聴用に使っている電話のマイクがそのスピーカーの音を拾うからであるが、それは未だに盗聴が行われている証左である。そして、そのSIMカードは香港の時に使っていたものと違うため、この電話の対する盗聴はSIMカードではない可能性が高い。

 

 そうなると機械的に埋め込んでいるか、ソフト的に埋め込んでいるかになるが、おそらくソフトの可能性が高い。これが意味しているのは、今でも中国の諜報機関と公安とCIAは共同オペレーションをしているということであり、また、当初の盗聴器を仕込んだのはCIAである可能性が高いということである。自分が使っているのはアメリカの電話である。

 

 今でもこの電話を使っているのを理解できない人もいるかもしれないが、ずっと盗聴された生活を送っていると、そのうち気にならないようになる。自分は自由主義者で、プライバシーは維持されるべきだと思っているが、自分の力の範囲では盗聴を止められない環境に置かれると、盗聴の違法性に囚われるだけで精神が病んでしまう。それに、幾らそんなことをしても盗聴だけで犯罪者には落とせないので、悩まないことにした。それよりも問題だったのは、如何にしてえん罪に嵌められないようにするかだった。

 

 

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