暗殺が失敗した夜からは監視と嫌がらせが拷問のレベルにまで至った。その日から上の部屋から水を流す音が絶えず聞こえてきた。

 

中国の公安が尋問する際に水を流すのは知っていた。水の音を流し続ければ、それに心を乱されて不眠状態に陥り、結果として、その拷問も受けた人は落ちるか、何日も不眠が続いた後に頭がおかしくなるかのどちらかになる。自分が受けたこの水の音には二通りの出し方があって、1つは水がポタポタと落ちる音がずっと続いた。もう1つはトイレを流す音に似たものだが、その音は休むことなく続き、それが大きくなったり小さくなったりした。

 

その音もいつか止むだろうと思っていたが、そんなことは起こらなかった。その夜から始まった音は朝まで続き、それは止むことはなかった。そして、それは1日で終わることもなく、毎日毎晩、何ヶ月間も休むことなく続くことになる。

 

日本には敵視され、アメリカは傍観し、中国は怒っていた。それが当時の自分の認識だった。だから拷問は止まらないと思っていたが、それは真実の半面であり、実際はその裏側で彼らは共同で拷問をしていた。

 

だからこそ、その音が止むことはなかった。また、顔に風が当たった更に寝られなかった。それは部屋のどこかから流れてきたが、どうやって自分の位置を特定しているのかも分からず、どうやって風を当てているのかも分からなかったが、部屋の真ん中にある埋め込みの照明の中に監視カメラがあって、そこから見ていると思った。それは埋め込みの照明であり、天井から上へと繋がっていた。そして、その上の部屋には中国の諜報機関がいた。

 

それでも何とかして寝る必要があった。暗殺が未遂に終わって次の暗殺はすぐあるかもしれないが、CIAであろうが日本の警察であろうが、誰も助けてくれないかもしれないが、睡眠を摂らないと頭がおかしくなるのは確実であり、何としても寝る必要があった。しかし、そのような興奮状態や絶望の中で、拷問が始まったため、ほぼ寝るどころではなくなっていた。

 

ほぼ朝になってから、かなり焦りを感じてきた。そこから数時間するとまた道路工事のドリルの音が響くため、更に寝るのが難しくなる。ただし、ここで投げ出してしまうと、自分は頭がおかしくなったまま死んでしまう。

 

考え抜いた末に、ソニーのウォークマンについているノイズキャンセルを使うことにした。ノイズキャンセルをオンにして、音楽を流さず、その状態を維持することで外の音を遮断しようとした。実際にやってみると、それでも音が漏れて入ってくる。そこで、耳にガムテープを何重にも貼ってイヤホンを固定し、更に音が漏れて入ってこないようにした。どれほど馬鹿らしく見えても、睡眠を摂る必要があった。

 

そして、何とか寝られるようになった。

 

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