6 CIAとのミーティング

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結局、その日に狙われたのは一度だけで、目的のミーティングの場所までたどり着けた。今なら分かるが、事故に見せかけるような暗殺を演出するためにはかなりの準備が必要であり、一度失敗すると、そのすぐ後に違う工作を実行できるようなものではない。そのため、その後に引き続いて自分が狙われることはなかったが、そのようなことに気づいたのはかなり後になってからである。

 

 この時は、最早、家にも安全に戻れるような場所におらず、ここまでとは思わなかったものの、何らかの工作活動がされるのは予想した上でミーティングに向かっていたので、そのまま先を進んだが、結局、それ以上に何も起こらず、目的の場所に着いた。

 

そのミーティングはCIAと話すことが目的であるものの、基本的には仕事の面接なため、相手側の困惑は感じたものの仕事の話がほとんどであったが、明らかに違う業界の人が一人だけいた。その人は仕事に関する話をすることはなく、何故、香港にいるのかの理由だけを何度も把握しようとしていた。

 

そして、その他のミーティングでもテレカンファレンスが繋がっており、その先に誰がいるのかは分からないが、多くの人が聞いているのだけは分かった。

 

出来る限りの説明をしたつもりだったが、何の変化も起きなかった。自分は工作員でもなく、犯罪者でもないということを伝えれば、自分がそのまま香港から出られると思っていたが、そんなことは起きなかった。待ち時間も長く、かなりの時間そこにいたので、何とかなると思ったのだが、自分が助けられることはなかった。

 

 ここには説明が必要かもしれないが、実際にはCIAは中国の諜報機関と共謀して、自分を暗殺しようとしていた。正確には、CIAの中にそれを行っていた集団が存在したという意味であって、CIAの中にはそこで起こっている工作が問題だと思っていた人もいただろう。ただし、自分にはそのような状況は何の意味もなさず、現実的にはCIAが他の諜報機関と共同で自分を抹殺しようとしており、その状況の中では自分が助けられるはずもないが、そのような背後関係にはまったく気づいていなかった。

 

結局、自分はそのまま家に帰るしかなかった。自分が狙われる理由はないはずだが、それが理解させるのは淡い期待であって、暗殺未遂の後では、そのまま普通に生きられるとも思えなかった。

 

このまま死ぬのかと思いながら、家へと向かった。歩いている多くの人がいつも以上に自分を狙っているように感じた。ただ、家に帰る以外に手段はなく、いつもの道をそのまま帰った。そして、自分はそこで殺されることもなく、殺されそうになることもなく、そのまま家にたどり着いた。

 

しかし、そこからどのような生活になるかが全く想像できなかった。このままの状態を続けても生きていられるとは思えなかったが、どうすれば良いのかも分からなかった。日本に帰れば帰ったで、裏社会の人に狙われると思っていた。当時は、日本の警察が暗殺を行っていることに気づいておらず、自分が断った犯罪集団の人たちが逆に警察に落ちたと思っていたため、彼らに襲われると思っていた。

 

 結局、日本に帰るという選択肢も選べず、香港に残ったまま何もせずに耐える以外の選択肢は自分には思いつかなかった。

 

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