デジタルで波長を分析するのはかなりの困難を伴うが、それは同時にデジタルの情報を使って脳波や体の発する電波をコントロールするのが難しいことを意味している。脳波に対するデジタル解析の限界を考えると、アナログ波長をそのままパターニングした方がより分析し易いかもしれない。

 

現実的には脳波が存在しており、それがどのような周波数の組み合わせでできているかは分からなくても、そのパターン自体は再現できる。

 

少なくとも脳は超長波の周波数しか発しないので、元になる周波数には限りがある。その上で、どれくらいの周波数が同時に発せられているかは分からない。例えば、頭に痛みを感じている際にどのような波長になっているかはアナログで表現でき、それを座標軸に落とせる。それがどのような周波数の組み合わせかが分からないところに問題がある。

 

しかし、複数の周波数を組み合わせて行けば、ターゲットに似たような波長パターンを生み出せる可能性はある。その電波を脳に当て、それが同期した結果として頭痛が起きれば、頭痛の周波数パターンを合成できたと確証できる。

 

あるいは、もっとダイレクトにそのまま周波数パターンを利用できるかもしれない。世の中には病気として頭痛をずっと抱えている人やうつ、感情障害、その他いろんな症状に苦しんでいる人たちいる。彼らのその症状が出ている瞬間の脳波を記録し、それをそのまま電波として違う誰かの頭に送れば、同期の結果として対象者の脳の状態をコントロールできる可能性がある。

 

その状態の脳波を多数集めれば、一般化した症状別の電波パターンが蓄積される。この方法だとデジタル解析する必要はない。科学的証明としては限度があるかもしれないが、実質的に脳に影響を与えるという意味では十分な情報となる。

 

ここで問題となるのはどれくらいの個人差があるかという点である。個人差が小さければ一般化した結果は純粋に症状を生み出す電波である可能性が高く、そのまま利用可能になる。例えば、一般的に倦怠感を感じる電波パターンがあれば、それを当てるだけで人は倦怠感を感じる。

 

しかし、個人差が大きければ、脳に影響を与えるのはもっと難しくなる。合理的に考えると、単一的な症状であればより単純な電波パターンである可能性がある。例えば、攻撃性を上げるのであれば、それは単一の周波数か単純な周波数パターンで構成されているはずであり、一般化された電波の刺激と同期化によって、ほとんどの人の脳がより攻撃的になる可能性はある。

 

ただし、それは攻撃的になるだけであって、攻撃を実行するのではない。攻撃にまで移るためには攻撃的な状態から理性を取り払って、実際的な行動を促す必要がある。そうなると攻撃的な気分だけでは操作できるとは限らず、攻撃を制御している社会性を切り離す必要があり、また恐怖もより抑えなければならない。

 

また、どのようにして攻撃する対象を選別するかという問題も生まれる。無差別な攻撃であれば、脳のコントロールの次元ではより容易かもしれない。一方で、無差別であれば、脳が無差別な攻撃を納得する理由を生み出すのがとても難しくなる。このように複雑になればなるほど、その過程で個人差が大きな影響を及ぼす可能性がある。

 

行動までの影響が複雑という意味ではなく、思考のようにそもそもそこで行われている作業が複雑な場合がある。その場合はパターニングでは再現できず、分析もできない可能性が高い。

 

これらが意味するのは、パターニングという手法はおそらく使われており、それは単線的な脳の感情を左右するのに有効である。そして、もっと単純なそれぞれの部位の痛みのようなシグナルであれば、デジタルの分析でも一定の結果を生み出しているかもしれない。

 

しかし、それらの方法だけでは実際の思考を読むことはできず、電波で人の体を動かすこともできないかもしれない。電波を工作に利用するためにはパターニング以上の手法が必要になる。