日本でも陰謀は存在する。

 様々な組織や機関が日本でも陰謀を企んでいる。その中には公的な機関もあれば、民間の機関もある。日本の組織もあれば、海外の組織もある。それはシリアの例とそれほど変わらず、政府がやることもあれば反政府組織がやることもあり、国内の諜報機関がやることもあれば海外の諜報機関がやることもある。

 本質的には世界中のどこであってもそれほど変わらない。海外の諜報機関は日本でも陰謀を企んでいる。それは遠い世界だけで起こっていることではなく、日本でも起こっている。日本にもCIAの出先は存在し、中国や北朝鮮の機関も活発に活動している。世界中のどこで起こっていることともそれほど大きな違いはない。人が死ぬ数には差があるが、起こっているという事実に関しては差がなく、より大きな差はあからさまに工作が行われるか、隠密に行われるかの差である。そもそも何の工作もしないのであれば、日本に海外の諜報機関が存在する理由はない。何もないのであれば、そんな諜報機関に予算は付かない。そこに存在するのは活動をしているからである。

 その工作の延長線上には普通に殺人があり、普通に政治的謀略がある。それは遠い国で起こっていることではなく、民主主義国であり先進国でもある日本で起こっている。そんな必要性がなぜあるのかは分からないが、依然として問題のある工作が多数行われている。

 元々、アメリカもソ連も日本に影響を及ぼそうとしていた。日本はアメリカの同盟国であるが、地理的な位置を見れば明らかなように日本はロシアと隣接している。特にロシアが不凍港から太平洋に出るためには、日本のどこかを通る必要があるため、ロシアと日本が没交渉になることは考えられない。また、日本とソ連の境界は西側陣営と東側陣営の前線であったために、ソ連は日本で活発に諜報活動を行い、アメリカも活発に対抗していた。

 冷戦崩壊と同時にその環境は変化する。日本の地理的位置は依然として重要であるものの前線と呼べるほどのものではなくなった。また、ソ連ほどの諜報活動はその後続いていない。北朝鮮や中国の諜報活動も存在するが、それは以前から存在しており、その活動が増加しているわけでもない。彼らは引き続き日本の政策に影響を与えるように諜報活動を行っており、これからも行うだろう。それは公式な外交関係の裏側にある非公式な外交的駆け引きでもある。

 そのような諜報活動が日本で行われていることは事実であったとしても、日本にとってそれほど好ましいことではないだろう。出来ることなら、普通に民主主義が実行され、そのような諜報活動に関わらず普通に民意が反映されることが望ましい。しかし、諜報活動がなくなるとは期待できない。

 それよりも、本当の問題はCIAにある。CIAが日本に存在するのは日本で工作活動を行うためである。工作活動をしなければ予算が発生しないので、そのような組織が日本に存在する理由はなくなる。本来的にはソ連が崩壊したために、日本での諜報活動をもっと削減できるはずだが、依然として工作活動が続けられているのはその謀略に効果があるからである。それらの工作の延長線上には普通に殺人があり、普通に政治的謀略がある。それは彼らが他の国でやっていることと変わらない。CIAが日本にだけ特別にひ弱に接するということは考えられない。

 彼らの謀略は一般的に表に出ない。表に出ないからと言って、何もないわけではない。逆に言うと、裏に隠れた工作の方が危険な場合もある。