うお座 びえ~んあせる


ウサギ どうしたのかおるん??


うお座 おとといね、大事にしてたバッグが盗まれちゃったの。

仕事のあと、駅から家まで歩いてたらいきなりバイクがきてひったくりにあっちゃった。

中にはほとんど入れてなかったからよかったけど、がんばって働いてコツコツためて買ったんだよ。返してキイ~。


ウサギ うわ~それはとんだ災難だったね。おまわりさんに被害届ださないと。


うお座 それがね、続きがあるの。


ウサギ えっ何?


うお座 さっきね、実はお仕事ちょこっとだけ抜けて、気晴らしにブックオフの100円コーナーに「NANA」があるか見に行ったの。そしたらね、となりで立ち読みしてた女の人が、私のバッグ持ってたの!!


ウサギ えー、でも同じバッグ持ってる人なんていっぱいいるんじゃない?


うお座 それがね、私のバッグは、底のところにひっかき傷がついてるの。しかもめずらしい形に。

なぜか☆の形なの。


ウサギ わざとつけたでしょ(笑)。


うお座 そしたら、その女のひとのバッグにも全く同じとこに☆マークのひっかき傷がついてたの!

ビックリしてよく見てみたら、革の色の感じから汚れの場所までぜ~んぶ同じ! あれ絶対私のバッグだよ!


ウサギ ふーん。


うお座 ブックオフの近くに住んでることまでわかったし、たしかバイクの犯人も女のひとだったから、絶対あのひとが窃盗犯人だよ!

だから自分で取り返しにいこうかと思って。


ウサギ えっ、そんなことしちゃダメだよかおるん。


うお座 なんで!? だってあのバッグは私のだよ。しかも窃盗犯人は悪いことしてバッグを持ってるんだから、取り返したっていいじゃない??


ウサギ それがダメなんだよ。

いくらかおるんが犯人だって信じていたとしても、本当にその人が犯人かどうかはわかんないよね。それに、もしかおるんのカンが当たっていたとしても、この場合はしっかり警察にお願いして捕まえてもらう必要があるんだプー。


うお座 なんでよ?? プーなんていったって納得しないからねっ。


ウサギ プーは口グセだから気にしないでね。

それはね、窃盗罪がなんで禁止されているかが関係するんだ。実はね、窃盗罪というのはね、相手の物を盗むことで相手の占有自体(持っているという事実)を侵害しちゃダメだよ、っていうものなんだ。


うお座 つまり、どういうことなの?


ウサギ だとすると、たとえかおるんが窃盗犯人を見つけても、自分でむりやりバッグを取り返しちゃうと、今度はかおるんが窃盗犯人の占有(バッグを持っているという事実)を侵害したことになって、かおるんが窃盗犯人になっちゃうんだよ。


うお座 ええ~。でも取り返したいよ~。


ウサギ そういう時のために警察があるんだよ。だって、もし犯人は悪いやつだから自由に取り返してもいいってなったら、世の中はひったくりでいっぱいになっちゃうよね。しかも、その取り返すのだってほんとに相手が犯人かわかんないし、あいつが犯人だ!ってウソついて盗みをはたらく人もでてくると思うんだ。そうしたら、世の中わるいことだらけでおちおち道も歩いてらんないよ。


うお座 うーん。そういわれるとそうかもね。毎日バッグとられたらやだもん。じゃあさ、たとえばひったくりにあった人が直後から犯人を追っかけて、100メートル先で取り返すのもダメなの? そういうことってよくありそうだけど。


ウサギ そういう場合は、例外的に許されているんだよ。なんでかっていうと、その場合はまさに犯罪がその瞬間に行われたわけだから、110番なんてしてる時間はないよね。それに、盗みをはたらいたばっかりの窃盗犯人が目の前にいるってことは、その人が犯人であることが確実なわけだから、その場でつかまえたほうが早いよね。

だから、こういう場合に限っては取り返すことも許されるんだよ。


うお座 へえー。それはいいのね。やっぱりそれくらいは許されないと変だもんね。

あっ!!!


ウサギ どうしたかおるん!?


うお座 100円コーナーにあった「NANA」3巻買うの忘れた!!


ウサギ ……。定価で買いなさい!




むくの木法律事務所

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