【2022/3/13~2022/3/19】

 

脳卒中と音痴の関係

以前、脳梗塞で倒れて退院後、歌を歌ったら、ものすごく音痴になっていた、という記事を書きました。

その際、何名かのブロ友さんから、「自分も音痴になりました」というコメントやメッセージをいただきました。(くださったブロ友さん、その節は参考になりました!ありがとうございました)

 

それで、脳卒中と音痴は、何か関連性があるのかな、と思い、リハビリ代わりにボイスレッスンを受けました。

内容は、数種類の発声と、自分が歌いたい歌を課題曲として歌う、というものでした。

通い出して、半年になろうとした頃には歌っていて音程をはずすことは、ほとんどなくなりました。

歌謡曲・ポップスばかり5曲ぐらい、練習しました。

 

 

【ハードルの高い声楽を習うこと】

そろそろやめようか、でもその前に無謀にも、最後のワンクール(10回)を先生の専門である「声楽」で習ってみたいと思い、先生に申し出ました。

 

リハビリ的な目的は達成したものの、 せっかく先生が専門で従事されている「声楽」をこんなマンツーマンで間近に聴く機会はもうないだろうな、と思ったからです。

 

記念のひとつのつもりでしたが、つまるところ、大事にしたい、という直観みたいなものを感じたのだと思います。

 

そうしますと、先生は、イタリア歌曲の定番の基本「 カーロ・ミオ・ベン」という、私には縁のない、聴いたことのないような歌を歌って下さったのです。

間近で聴く声楽、お世話になった先生の伸びの良い美声を聴きますと、もう眠りにつきそう(安らかな死への眠り?)になりました。

 

私だけのために歌って下さっている、という贅沢なその時間は(勝手な解釈…)、とたんに私自身が歌うとなれば、何もかもわからずじまい。

メロディーをひろうこと、鼻歌すら歌えません。

それがゆえに、これは真剣に学んでゆき、歌えるようになれば楽しい、すごい達成感があるだろうなと思いました。


歌謡曲やポップスの時と違って、楽譜があり、まずは忠実にその通り理解し、再現せねばならない。

当たり前なのでしょうが、息継ぎの場所すらもきっちり決まっています。

毎回、高い音、音域をどんどん広げていかれる発声練習は、「なんで出てないのにこんな高い声練習するのかな」と思ったり。。とはいえ、家でもずっとお手本を聴き続け、ちょっと歌えたら、そこだけ歌うということを夢中で続けています。

 

真似事ですが、歌ってみたら、声楽って、ずっと大きい高い声を出し続けて歌うというような、そんな風に感じました。

結局、やめずに続ける決意表明をアメンバー記事にまでしたのでした。。

 

【講習会形式で声を出すこと】

そうこうするうちに、先日、パソコン講座を担当する、声を大きく出すという機会がありました。

2年ぶりの社会復帰だったこともあり、不安で仕方がなく、自宅で何度も講座のリハーサル・予行演習をしていました。

講座をしているかのごとく、自己紹介をしたり、テキストを読んだりしましたが、声が震えて息が続かず、ちょっと厳しいなぁと思っていました。

 

ところがですね、会場で実際に講座をやってみたら、大きい声が出たのですね。

もうびっくりするぐらい…以前のような大きく通る声が…

あの自宅での練習は、なんだったのだろう、あの不安な気持ちはなんだったのだろう、と思いました。

 

声楽のレッスンで、ただただ、必死で歌っているうちに、いつの間にか大きい声を出せるようになっていた、活舌も良くなってきていた、それぐらいしか考えられません…

仕事のために声を出すという直接的なリハビリちっくな練習よりも、声楽レッスンのほうが功を奏したのでしょうか。

 

【人それぞれの何かがリハビリになっている】

私はもうすぐ、脳梗塞になって2年ですので、「リハビリ、リハビリ」というのも、そろそろ世代交代かなと思ったりしています。

そして、ブログを読ませていただいている方の日常で、「こんなことがおできになるんだなぁ」と感銘を受けて、「人それぞれの何かしらの活動や過ごし方」があることに気づき始めました。

 

よく目にするのが、農作業や、庭の手入れ。身体を動かすことになるからだと思うのですが、美味しそうな野菜や、綺麗な花を育てておられ、不自由ながらもリハビリ効果につながっているのかなと思ったり…

また、作品作り(手芸や、洋裁、料理、絵、芸術品)など多岐に渡った活動をされている方も多いです。趣味でいうところの、ゲームや、楽器、アウトドアデビュー。これも楽しいから、リハビリという感覚ではないように思いますが、実際私は、言語のリハビリになりました。

 

私の、狭い・小さいものの見方や、性格によるものだったのかもしれませんが、どうしても「リハビリ」は辛いもの、やらねば悪くなる、みたいに構えてしまう部分が多かったですね。特に退院後すぐは…

もちろん、そういう構えもあっていいと思いますが、自然体で、いつの間にかリハビリのひとつになっていたわ!というような、過ごし方ができたらいいなぁと思っています。

こんなことが、リハビリになっていました、というようなお話を聞かせていただきたいと思っていますので、是非その時は、ブロ友さんよろしくお願いします。

 

【おまけ:発症2周年と装具(ゲイトソルーションデザイン)卒業】

あと3日で脳梗塞発症2年になります。

装具をはずした、一人での外出歩行をして、明日で1週間。杖は、いざという時のため、持つだけ持っています。

次回は、装具から長靴、靴型装具といった、訪問PT先生からご提案いただいた装具卒業までの軌跡をまとめたいと思っています。