あの建物は、法テラスですね♪ | 向原総合法律事務所/福岡の家電弁護士のブログ

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日常の法律問題や、弁護士業界のネタ、その他をつらつらと書こうと思います。

今日は箱物のお話・・・がメインではありません。
が、箱物のお話から。
金沢の弁護士会が、新会館を建てたそうです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140627-00144881-hokkoku-l17
そんなに箱物が必要なのかな・・・?弁護士は苦しいんじゃなかったのかな・・・?
というベタな話は自治の問題だからおくとして、気になるのはコレ。
福岡の新会館問題でも、これ少し議題に上がっています。

法テラス石川の入居でも調整を進める。」

法テラスの問題については、このブログや私のFBのタイムラインを探っていただけると、なんとなくご理解いただけるかと思うのですが、もっと根本的なことをいうと、法テラスというのは、あくまでも、法務省の外郭団体です。

弁護士会の中に、法務省(の外郭団体)の支店をつくることに、弁護士自治との関係で、抵抗はないのか、というのが、まず私の持った違和感。

つぎに、法テラスが入るということは、そこを法テラス相談センターにするということを意味するのか、この記事からは読み取れませんでしたが、その可能性はあると思うので、仮にそうだとすると、
・法テラスの相談センター
・弁護士会の相談センター
が並列することになります。すると、法テラスは無料なので、常に満員。弁護士会は有料(福岡の場合)なので閑古鳥。
そりゃそうです。同じサービスを同じく弁護士が提供しているのだから、値段差が生じれば、安い方に流れるのは当然のこと。
すると、記事内の会長言「市民が法律相談のために気軽に立ち寄れる会館にしたい」という目論見は、法テラスのためにだけある、ということになり、弁護士会の相談センター機能は無意味化するでしょう。

すると、市民から見れば、
「あの建物は法テラスですね」

という誤謬を生むことになると思います。
正しくは「あの建物には法テラスがある」なんですけど、市民にとってはそんなことは関係ない。直接利用するところがメインです。

おいおい。俺たち会員が払ったカネで作った会館が、市民からは、そのようにしか見られないのか!?

ってことになる。

法テラスを弁護士会館に入れる、というのは、そういうことではないかと、私は思います。

そもそも、法テラスの基本戦略は、自前で建物を持たず、弁護士会に入り込み、
・「安値・広告予算・広告規定不適用」に裏打ちされた強力な集客力で、
・「弁護士=法テラス」の境界をあいまいにし、
・弁護士にはその下請けをさせ、安価で使う、
というものだと考えています。
ただし、法テラスがその上前をはねるわけではなく、ただ、(利用すれば)安価を強いられる弁護士の経済状態が悪くなるだけの話です。

そのような基本戦略をもつ団体に、簡単に入らせていいのですかねえ。
僕は、相当距離を置いたほうがいいとおもうんですけどね。