鹿児島大学法科大学院募集停止により名実ともに崩壊した「適正配置論」 | 向原総合法律事務所/福岡の家電弁護士のブログ

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鹿児島大ローの募集停止。これ、個人的にはとても大きなニュースです。
九弁連は、「適正配置論」というのを唱えていました。
しかしながら、私は、かねて、ロー所在地周辺の受験生にしか事実上受験の門戸を開かない、つまり地方の受験生に不利益を与えるロー制度自体こそが問題視されるべきであると主張してきておりました。

「適正配置論」は、ロー制度が続くことを前提に、次善の策として、せめて地方の受験生に不利益を与えないように、という配慮があっての立論なのかもしれません。

しかしながら、いつも申し上げているように、鹿児島市にローがあっても、同じ鹿児島県の鹿屋市や志布志市の人が通えるはずもなく(高速道路を使って2時間以上かかる)、奄美市の人が通えるはずもありません(飛行機)。
札幌市にローがあっても、斜里町の人や別海町の人が通えるはずがありません(車で夏なら7時間程度)。

また、司法試験合格率の低いローで時間を潰すわけにはいきません。司法試験合格しないとメシくえないからです(今では合格しても食えないことが常態化しているがそれはまた別論)。このことをわかっていない奴らが、法科大学院推進論者には、比較的多いように思います。

従いまして、地方の受験生に本当に配慮するならば、
・ロー制度は、任意選択制にする(行きたい奴が行けば良い、司法試験はだれでも受けられるようにする)
・あるいは、地方の受験生には、大都市圏に集約されたローに入らせて、そのための奨学金等を与える
というふうにするべきだったと、強く思います。

にもかかわらず、地方にばら撒いたのは、様々な思惑あってのことでしょうが、これを推進した人たちは、いわば、税金の無駄遣いにも助力したわけですから、国民に対しても背信行為というべきだし、なにより、無辜の受験生に対して、合格させるに不十分な体制しか整えられないこの「適正配置」体制にしたわけですから、大いに反省して頂く必要があります。

鹿大ローは、そのロケーションからして、九弁連が唱えた「適正配置」論のシンボル的存在だったと思います。これが墜ちたことにより、「適正配置」論も、名実ともに墜ちたということがいえそうです。

反省しているなら、二度と「適正配置論」を唱えるべきではありません。