我が家にはとてつもなく
 
可愛い愛犬がいる。
 
 
名前はリリー。
 
 
 
ゴシップガールに出てくる
 
セリーナの母、リリーさんからとった。
 
 
 
その役のリリーさんは、超お嬢様育ちで
 
家族とお金のためなら不正でも
 
犯罪でもなんでもする
 
とんでもないママなんだけど
 
美しくて、家族思いで、男性からも愛されて
 
結局自分の好きなように生きている
 
なんか憎めないキャラなのだ。
 
 
 
 
だから愛犬にも
 
わがまま全開で
 
誰からも愛されるようにと
 
名付けたのだけど…
 
 
 
予想を上回るほど似た。
 
 
 
lilyのわがままっぷりに
 
私は、ややタジダジな毎日だ。
 
 
 
 
そんなlilyと彼は
 
とても仲が良い。
 
 
 
というか完全に
 
lilyから友達だと思われている彼。
 
 
 
彼の命令は
 
"おやつ"をもっていない限り
 
ほとんど無視する。
 
 
 
 
お散歩に行った時もそう。
 
 
 
lilyは緑が好きで
 
とにかく草の中にダイブしようと
 
グイグイリードを引っ張り走る。
 
 
 
それに対して彼は
 
一応言うことを聞かせようとするが
 
興奮状態のリリーは
 
聞き水持たずで暴れる。
 
 
 
 
私はいつも「lilyストップ!!」と
 
怒り声で叫び
 
リードを強引に引っ張り立ち止まらせるが
 
彼は優しいのでそんなことはできない。
 
 
 
 
lilyに引っ張られながら、小さな声で
 
「lilyちゃん〜
 
ちゃんとゆっくり歩きなさい。
 
真ん中を通りなさい。危ないよ。」
 
 
と、まるで人間の子供(しかも結構成長してる子)
 
に言うようなセリフをlilyに言う。
 
 
 
 
 
私)「そんなんじゃ絶対言うこと聞かないよ!
 
てか言葉長っ!」
 
 
 
 
 
lilyは案の定言うことを聞かず
 
草と土の間にダイブし汚れ
 
帰宅後、彼から丁寧に足を洗われる。
 
 
 
lilyは嫌がり
 
彼の手を噛むフリとかする。
 
脅しだ。
 
 
 
 
それでも怒らず優しい彼…。
 
 
彼の優しさに
 
私がlilyを怒りそうになった。
 
 
 
 
 
 
lilyは、彼が優しいのを良いことに
 
彼をおもちゃのように扱う時がある。
 
 
こないだなんて
 
鮫のジョーズのように
 
口を開けたまま彼に飛びかかり
 
(カー!!とか言いながら)
 
 
 
お風呂上がりだった
 
彼のち◯びを噛んだ!!
 
 
 
 
彼はそれがトラウマになってしまい
 
家で上半身裸になるのをやめた。
 
 
 
可哀想に…。
 
 
 
 
だけど彼も親として躾は
 
ちゃんとしたいと思ってるらしく
 
たまに、食べ物を片手にlilyに命令している。
 
 
 

…それもやっぱり可笑しい。
 
 
 
まだ一度もlilyに覚えさせていない言葉を
 
急に使ったりするのだ。
 
 
 
「ふせ」
 
 
「待ちなさい」
 
 
「食べなさい」
 
 
「キャベツだよ」
 
 
私)、、、。
 
あのね、lilyは
 
ふせじゃなくてダウンで覚えてるよ。
 
それに、待ちなさいじゃなくて"待て"って
 
言わないと分からないよ。
 
キャベツというものもまだ知らないよ。
 
 
 
 
 
これにはさすがのlilyも戸惑う。
 
 
おやつが欲しいから
 
一応言うことを聞く体勢なんだけど
 
 
彼の言葉がよく分からないから
 
"え?パパそれどう言う意味のやつ?"
 
といった顔をして首を傾げる。
 
 
 

この顔。
 
 
もしかするとlilyもlilyで大変なのか?
 
 
 
 
 
 
 
そんな彼とlilyだけど
 
2人の間に秘密があるのを
 
私は知っている。
 
 
 
lilyは赤ちゃんの頃から
 
彼の靴下を舐めるのが好きだった。
 
 
私のは舐めないのに
 
彼の靴下は必ず探し出し
 
自分のベッドに持って行き舐めている。
 
 
 
 
彼は最初は嫌がって
 
脱いだらすぐに洗濯機に
 
靴下を入れていた。
 
 
lilyが舐めることによって
 
"自分の足は臭いんじゃないか"
 
と私に思われるのを避けていたようだ。
 
 
 
 
 
でも最近、私は見た。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
脱いだ靴下をこっそり
 
lilyに渡しているのを…。
 
 
 
 
 
lilyは大喜びで
 
一足ずつベッドに運び
 
ベロベロ舐めていた。
 
 
 
彼はもう足が臭いことが
 
私にバレでも平気になったのだと思う。
 
 
 
それよりも可愛い可愛いlilyが
 
大喜びしてくれる方を優先したのだ。
 
 
 
親心は羞恥心をも超える。
 
 
 
 
 
私はそんな彼を
 
親心のような気持ちで見つめる。
 
 
 
 
 
lilyを迎えて
 
本当に家族らしくなった我が家。
 
 
 
 
 
 
 
最高にわがままだけど
 
最高に可愛いlily、そして彼、ありがとう。
 
 
 
 
 
 
 
 
***おしまい****