バレーボールのネーションズリーグという大会が男女で開かれていて、男子が快進撃で「優勝か?」と言われていましたが、最終的に4位。それでも最近の中ではかなり強いチームになってきていて、バレーボール日本代表の力がついてきているようでした。

今は男女共に外国人監督。

それもまた今の日本に必要なマネジメントになったのかもしれません。

以前の女子では監督によるパワハラ騒動もあり、なかなか大変でしたから。

 

女子バレーボールの元日本代表選手、益子直美さんが代表理事を務めている一般社団法人「監督が怒ってはいけない大会」というものがあると聞きました。

益子さんは自身の体験から、このようなことでもしないとバレーボールの指導が変わらないと思い、このような大会をつくったそうです。

途中でアンガーマネジメントを学んだりなど、自身も結局、怒るマネジメントをしてしまったことがあったからこそ、こんなやり方をしていてはだめだと実感したようです。

 

 

益子直美「監督が怒ってはいけない大会」ポスター

(写真 益子直美他著「監督が怒ってはいけない大会がやってきた」より)

 

益子さんの考えた大会はいま全国で開催されています。

以前、テレビの取材でその模様を映していましたが、バレーボールで監督が怒ってはいけないという明確なルールのもとで、バレーの試合が行われていました。

 

途中、熱がこもって怒る監督がいると、✕のマークがついたマスクが渡され、それをつけなければならないそうで、恥ずかしそうにそのマスクを受け取っている監督がいました。

 

「監督が怒ってはいけない」大会なのに、監督が「✕マーク」のついたマスクをつけていたら相当恥ずかしいでしょう。

 

怒ること を無理やりやめさせていくための地道な活動を、バレーボールの試合をすることで定着させていこうという真っ当な取り組みが、素晴らしいなあと私は思っています。

 

実は私も中学校時代はバレーボール部でした。

当時のバレー部の監督は、生活指導の先生でもありました。

その先生は常に手には竹刀や長い定規を持っていて、授業中も寝ていたり、宿題を忘れたり、ふざけたことをしているとばんばんそれらでたたきます。

 

これは私たちバレー部の練習中でも、そして試合中でも同じでした。

試合で私たちの誰かがスパイクに失敗したとします。

するとすぐに集められて

「全員そこに並べ」

と言われて順番にビンタ。

 

「とにかく全員責任」というのがその監督の思想。

 

ある時は「全員座れ」

と言われて、ももを思い切り定規の平の部分でビシッとやるのです。

 

時々グーでも殴られました。

試合中のタイムで監督に呼ばれて、相手の選手たちも見ている前で、全員ビンタされたことも今も覚えています。あれは恥ずかしくもあり、情けなくもありました。とても嫌な時間でした。

 

とにかく気の抜けたプレーをすると必ず怒られました。

まあ、気の抜けたプレーをしている私たちの責任でもあるのですが、全力でやって試合に負けたのに、それでもたたかれるのは嫌なモノでした。

それで強くなればまた良かったのですが、私たちはなかなか強くはなれませんでした。

 

プレーでミスしたら怒られる。

当時はそれが当たり前。

私たちにとって、先生からたたかれるのは 暴力 という認識よりは、 ミスしたんだから何らかの罰を受けるのは仕方ない。ただ、痛さを味わいたくないので失敗しないように気を付ける ほうに意識があったように思います。

 

するとどんな意識になるかと言うと、失敗しそうなことをやめるようになります。

思い切りスパイクを打てそうなときでも、すこし力を抜いて安全に打ったり、ギリギリのところは飛び込まずに見たり。

サーブも確実にコートにいれられるサーブにしたり。

 

おもしろくないのです。プレーが。

攻めていないのです。

だから、結局勝てない。また負けて、結局は怒られるわけです。

「なんでもっと攻めないんだ」と怒られる。

結局どちらでも怒られていたのです。負けるとコートのまわりをスライディングで1周みたいなこともありました。

 

しかしもし、この当時の監督が、怒らず、いいところをほめて、笑顔で、やり続けたとしたら、私たちはどうなっていたのか。

もっとのびのびやれて、もっといい成績をおさめられたのか。

もしそうなっていたら、それはそれでのんびり、勝っても負けてもいいかあと甘えてしまっていたかもしれません。

時代がそういう感じの時代ではありませんでしたから。

 

今は違います。

今はやはり厳しさは必要ですが、暴力とは根絶させなければいけない時代です。

この益子さんの大会でも、監督が叱ることを容認する場面もあるそうです。

それは

①ルールやマナーを守れないとき

②取り組む姿勢・態度が悪いとき

③いじめや悪口をいったとき

④危ないことをしたとき

だそうです。

 

これはきちんとその場で叱って注意しないと、繰り返す可能性があります。

その時に、感情に任せて怒ってはいけない と益子さんは言います。

ここで怒ると手がでる。

 

それをこらえて、子どもの成長を願いながら子どもたちに要望としてリクエストしてほしい と伝えているそうです。

ダメなものはダメだけど、それを手をあげて教えるのは間違っているということです。

 

至極もっともな考え方です。

所詮、暴力で人を変えようという発想が短絡的。

それでは世の権力者が戦争で解決しようという考えと同じと言っては言い過ぎでしょうか。

スポーツだけでなく仕事でもそうです。

できない部下をたたいたり、殴ったりはしないでしょう。

そんなことしても相手は変わりません。

一緒に目標に向かうようなことにはなりません。

 

なぜだめだったのか。

なぜ失敗してしまったのか。

なぜ同じミスを何度かしてしまったのか。

その時の心理状況や体調、また頭の中で考えていたことを整理して、その問題と向き合わせることこそが重要です。

そこを考えて、対策を立てる、仮説をつくることに時間をかけるのです。

そんな考え方の指導をする監督であれば、選手もついてきます。

そんなリーダーであれば、会社でも部下は必死にがんばるものです。

 

その人のことをどこまで育成しようとしているのか。

その関係性がすべてに表れてきます。

 

今後、この大会が近くであったら見に行ってみようと思います。

仕事にもつながるこの考え方。

今日も怒らず、冷静になっていけるいける!!